注文住宅でよくある失敗とは?シーンごとの失敗例を踏まえ、対策方法を解説

家づくり
注文住宅でよくある失敗とは?シーンごとの失敗例を踏まえ、対策方法を解説

注文住宅で新築を建てようと検討している方は多いでしょう。注文住宅は、間取りや設備、外観や内装のデザインなどを自由に設計できる魅力があります。

しかし、施主が多くのことを決めなければならず、実際に住みはじめてから後悔することも少なくありません。そのため、事前に失敗事例を把握しておくことは重要です。

そこで今回は、注文住宅におけるシーン別の失敗例について解説します。注文住宅で失敗しないコツや対策方法についても解説するので、理想にかなったマイホームづくりの参考にしてください。

注文住宅におけるシーン別の失敗例とは

まずは、注文住宅におけるシーン別のおもな失敗例を紹介します。

【玄関】でよくある失敗例

玄関でよくある失敗例は以下のようなものがあります。

  • 玄関が狭い
  • 玄関収納が足りない
  • 玄関の照明スイッチが遠いので不便

玄関の広さは4〜5人家族の場合、3帖ほどが目安です。来客時や雨の日の出入りを考慮して、あまり狭くしないほうがよいでしょう。

また、収納が少ないと、傘やベビーカー、アウトドアグッズなど、大きいものを置いておくスペースがなく、ものが溢れかえってしまいます。子どもが増えると玄関に置きたいものが増える場合もあるため、収納スペースは広めにしておくとよいでしょう。

さらに、多くの靴を収納できる下駄箱を設置すると使い勝手もよくなります。下駄箱に鏡を取り付けることで、身だしなみを確認できたり、玄関スペースを広く見せたりする効果もあるのでおすすめです。

なお、玄関の照明スイッチの位置が悪かったという失敗例もあります。玄関ドアの近くにスイッチがないと夜間は暗く、危険です。人感センサー付きの照明を設置すれば、両手に荷物を持っていても自動で電気がつくため、利便性も向上するでしょう。

【キッチン】でよくある失敗例

キッチンでよくある失敗例は以下のとおりです。

  • キッチンの実用性が足りなかった
  • IHの火力が足りない

広くて見た目のよいキッチンは魅力的ですが、実用性を考えていないキッチンは使い勝手が悪く不便です。キッチンの高さが自分の身長に合っていなかったり、奥行きが深すぎたりすると使いにくくなるため、キッチンは実用性を考えて選びましょう。

一般的に使用しやすいキッチンの高さは「身長÷2+5cm」です。おもに、料理をする方の身長にあわせて高さを選ぶと失敗しにくくなります。

また、キッチンを選ぶときは奥行きよりも幅を重視して選ぶようにしましょう。具体的に、2.4〜2.7mほどあれば、キッチン上にものを置いても、作業スペースがあまり狭くならずに使用できます。

さらには、IHに変えてみたけれども料理がしづらいというケースもあるでしょう。ガスコンロの場合、調理器具や火との距離で火力を調整できますが、IHはできないためガスコンロのほうが使いやすかったという方もいるのです。一方で、IHは面倒な掃除が不要、火を使用しないため、火事の心配がないなどのメリットもあります。

電気、ガス、それぞれのメリットやデメリットを把握したうえで、どちらを選択するか検討するとよいでしょう。

【収納】でよくある失敗例

収納でよくある失敗例には以下があります。

  • 収納が足りないor多すぎる
  • ウォークインクローゼットが狭い
  • ロフトをつくったが使いづらい

一戸建ての場合、収納スペースは総床面積の10〜15%が目安とされています。

部屋が狭い場合は、壁面収納にすると、ウォークインクローゼットより収納量が増える場合もあります。現時点の服の量とこれから増える服のスペースを考慮して、収納場所の広さを決めるのがおすすめです。

また、クローゼットの配置は、用途や家事動線を意識するとよいでしょう。たとえば、脱衣所の近くにはファミリークローゼットを配置するなどが挙げられます。

なお、ロフトなどの屋根裏収納は、はしごを上って荷物を取りにいくタイプが多いため、大きな荷物や重たい荷物の上げ下げには向いていません。歳を重ねるとロフトの昇降ができなくなる可能性もあるため、ロフトは予備の収納だと考えておきましょう。

【風呂場】でよくある失敗例

風呂場でよくある失敗例は以下のとおりです。

  • 風呂場にテレビを設置したものの使わなかった
  • 浴室の壁面を掃除がしにくい素材や色にしてしまった

入浴中にリラックスできるよう浴室テレビを検討している方もいるのではないでしょうか。しかし、家族が増えたり、子どもが小さいうちはゆっくり入浴できず、結局使用しなくなってしまったというケースもあります。

防水タブレットでも浴室テレビの代用ができるため、本当に設置が必要か検討しましょう。

また、風呂場の壁面は掃除のしやすい素材や色を選択するのがおすすめです。濃い色を選択すると、カルキや石鹸汚れが目立ってしまい掃除が大変になります。

風呂場の素材や色を選ぶ際は、掃除をするときのことを考えて選択するとよいでしょう。

【トイレ】でよくある失敗例

トイレでよくある失敗例には下記があります。

  • 玄関にトイレを設置したら、来客対応しているときに入りにくい
  • トイレの機能をこだわりすぎた

道路から近い場所に水回りを設置すると建築費が安くなるため、玄関にトイレを設置している家は多いでしょう。

来客の対策としては下記があります。

  • トイレ入口前に目隠し用の壁を設置する
  • 玄関前を通らない動線を考える

また、トイレの価格は機能によって変わります。便座ヒーターなどは標準仕様のものが多いですが、オプション機能があるトイレは高額になりがちです。ランニングコストを考えるのであれば、実用的な機能のみがついているものを選択するとよいでしょう。

なお、節水トイレは水道の節約になりますが、流れが悪く排水管が詰まる場合があります。そのため、トイレットペーパーを流す場合は、大の水で流すなどの対策が必要です。

【バルコニー】でよくある失敗例

バルコニーでよくある失敗例は以下のとおりです。

  • バルコニーが外から丸見えで使いづらい
  • バルコニーに屋根をつけなかった

ベランダやバルコニーを、くつろいだりリラックスしたりする空間として利用したい場合は、周辺の立地条件を考慮して設計プランをたてましょう。隣家や周辺道路からの見え方を考えなかったために、屋外からの視線が気になって使いづらいというパターンも考えられます。

そのため、住宅会社の担当者や設計者とともに現地にいき、設計図をチェックしながら屋外からの見え方を想定しておくことが大切です。

また、バルコニーに屋根をつけなかったために、汚れやすくなってしまったという失敗例もあります。屋根があれば、バルコニーも汚れにくく、外出時の急な雨にも洗濯物が濡れずにすむため、設置しておくとよいでしょう。

【予算】でよくある失敗例

予算でよくある失敗例は以下のとおりです。

  • 予算オーバーしてしまった
  • メンテナンス費用を考慮していなかった

注文住宅の建築を進めていくと、どうしても予算をオーバーしてしまうことがあります。そんなときに予算内に収めるためには、必要なものの優先順位を決めて、優先順位の低いものから省いていく方法がおすすめです。

また、坪単価のみを考慮して予算を組むと予算オーバーになりやすいです。坪単価は、建築費だけを計算するのに使用するため、そのほかの家づくりにかかる費用は含まれていません。

注文住宅は、建築費以外にも付帯工事費用や住宅ローンの諸費用もかかることを考慮して予算を組みましょう。

さらには、メンテナンス費用を考慮していなかったというケースも多いです。外壁や屋根は10〜12年で塗り替えが必要なことが一般的です。風呂場やトイレなどの水回りも、15〜20年で交換が必要な場合が多いため、メンテナンス費用もしっかり考慮しておきましょう。

ほかにも、毎年の固定資産税や都市計画税、火災保険などもかかります。

【リビング】でよくある失敗例

リビングでよくある失敗例は以下のとおりです。

  • 床暖房は必要なかった
  • コンセントの数が少なかった
  • 吹き抜けのあるリビングは寒かった
  • 窓が大きすぎて収納場所がない

床暖房はエアコンよりも部屋を暖めるのに時間がかかる割に、大きなエネルギーを使います。そのため、エアコンよりも電気代が高くなりやすいです。床暖房を検討する際は、エアコンと比較して効率が悪くても設置したいか考えましょう。

また、コンセントの数が少なかったという失敗例もあります。家電が集中している場所には、コンセントが多くあると便利です。コンセントの数が少なかったり配線の位置が悪かったりすると使い勝手が悪くなるため、家具の置く場所を想像して位置を決めるとよいでしょう。

さらに、吹き抜けのあるリビングは明るくて開放的ですが、寒かったというケースもあります。シーリングファンを設置すれば上下の空気を撹拌し、冷暖房効率がよくなるでしょう。

ほかにも、大きな窓があり、壁の面積が少なく収納場所が確保できないという失敗例も耳にします。窓を腰窓にしたり高い位置に窓を配置したりするなど、できるだけ採光をとれるようにして、収納場所を確保するようにしましょう。

【駐車場】でよくある失敗例

駐車場でよくある失敗例は以下のとおりです。

  • 駐車場が狭く車の出し入れが難しい
  • 駐輪場が狭くて不便

駐車場に必要な広さは、所有車両の車種や台数により異なります。普通乗用車のサイズは幅約1.7m、長さ約4.7mです。そんな普通乗用車1台分のスペースを確保したい場合、幅2.5m×長さ6mの15平方メートルが必要となります。2台駐車したい場合は30平方メートル、3台は45平方メートルが一般的に必要な広さです。

実際に駐車場をつくる際は、将来的に台数が増えたり大きな車に乗り換えたりする可能性も考慮して、広めにつくっておくとよいでしょう。

また、駐輪場が狭くて不便という失敗例もあります。奥まった駐輪場の場合には、奥の自転車を利用するときに、手前の自転車を移動させなければなりません。

駐輪場のスペースに限りがある場合は、以下の対策を検討し、不便さを解消しましょう。

  • 軒下を伸ばす
  • 玄関ポーチに置く
  • カーポートに置く

【デザイン】でよくある失敗例

デザインでよくある失敗例は以下のものがあります。

  • 外壁を派手にしすぎてしまった
  • デザインがイメージと違った
  • スケルトン階段を設置したが危険だった

外壁を派手にしすぎたあまり、周辺の環境と合わず浮いてしまったという失敗例があります。そうならないためにも、周辺環境を事前に確認し、周囲との調和を考慮したうえで自分たちの個性をワンポイントで入れるようにするとよいでしょう。

また、デザインがイメージと違ったという失敗例も少なくありません。デザインが思っていたのと違ったという失敗を防ぐには、できるだけ大きなサンプルで確認することが大切です。

実際の仕上がりは、明るい色は明るめに、暗い色は暗く見えやすいため、希望の色より一段明るい色や暗い色を選択することがポイントとなります。サンプルを確認するときは、外壁・壁紙・カーテンは直角に、床材は地面と平行にして少し離れた距離から見るとイメージがつきやすいです。

なお、スケルトン階段はおしゃれなデザイン性から検討する方もいますが、子どもが小さい場合は転落する危険性があります。勾配を緩やかにして踏み板の奥行きを長くしたり、転落防止ネットを取り付けたりなどの対策をするとよいでしょう。

【照明】でよくある失敗例

照明でよくある失敗例は以下のとおりです。

  • 照明が暗すぎた
  • 照明位置がずれている
  • スイッチの設置場所が悪かった

明るさの感じ方は人それぞれです。そのため、提案された照明プランのみで決定してしまうと、思っていたイメージと違うということが起こりえます。

照明を計画する際は、家全体をどのようなイメージにしたいか雰囲気を伝えたうえで、モデルハウスなどの明るさも参考にしながら決めるとよいでしょう。

また、ダイニングテーブルの位置に合わせてペンダントライトなどの設置を検討している場合、模様替えをした際やテーブルを買い替えたときにライトの位置がずれる場合もあります。そうならないためにも、生活スタイルが変わることも考慮して、照明の位置を移動できるダクトレールを採用するとよいでしょう。

さらに、スイッチの設置場所も重要です。1所でほかのゾーンの照明のオン・オフをできるようにしたり、動線を考えたりすることが大切になります。

【業者】でよくある失敗例

業者でよくある失敗例には以下などがあります。

  • 自分の要望がなかなか伝わらない
  • 知り合いの業者に遠慮して希望が伝えられなかった

工務店やハウスメーカーの担当者に要望を言葉で伝えると、うまく伝わらない場合があります。要望を伝える場合は、画像や間取り図、写真を見せて伝えましょう。

また、営業マンが担当者を兼任している場合は、実際に設計する設計士と直接話をすると要望を汲み取ってもらいやすくなります。

そのほかにも、知り合いの業者で家を建築する場合、今後の関係を考えてすべての希望を伝えられない場合があります。安くしてもらえる可能性はあるかもしれませんが、自分の希望の家を建てるなら顔馴染みではない業者に依頼したほうがよいでしょう。

注文住宅で失敗しないためのコツとは

注文住宅で失敗しないためのコツは以下のとおりです。

  • 資金計画は余裕を持って立てる
  • 子どもや家族の将来を見据えた家づくりをする
  • ハウスメーカー選びは慎重に行う
  • 納得がいくまで話し合いをする
  • 後悔しないために事前にシミュレーションをしておく

それぞれについて解説します。

資金計画は余裕を持って立てる

資金計画に余裕を持っておくことは、注文住宅で失敗しないためのコツのひとつです。住宅ローンの返済が生活費を圧迫しないように、余裕のある資金計画をたてましょう。

注文住宅の予算を決めるステップは、以下を参考にしてください。

  1. 自己資金がいくらまで出せるか確認する
  2. 住宅ローンの借り入れ可能金額・月々の返済額を確認する
  3. 予算にあった土地代・建築費用のバランスを考える

また、ハウスメーカーから見積もりをもらったら、見積もり以外の追加費用がかかる可能性があるか確認しておくことも大切です。

子どもや家族の将来を見据えた家づくりをする

子どもや家族の将来を見据えた家づくりをすることも、失敗しないためのコツといえます。マイホームを検討する際は、将来的にライフスタイルが変わることを想定した間取りづくりが重要です。

子どもが増えることを想定して、部屋を1部屋多くつくったり、ひとつの部屋を間仕切りで2部屋に区切れるようにしたりといった工夫をしておくとよいでしょう。また、子どもの独立後、子ども部屋を趣味の部屋などに使えるようにしたり、老後のことを考慮しバリアフリー対応にしたりすることも大切です。

ライフスタイルにあわせてリフォームするのもよいですが、今の状況のみで判断して間取りプランを決めると、リフォームに対応できない可能性もあります。将来的にライフスタイルが変化することを考慮した家づくりを心がけましょう。

ハウスメーカー選びは慎重に行う

ハウスメーカーを慎重に選ぶことも注文住宅で失敗しないためのコツです。注文住宅を建てるにあたり、ハウスメーカー選びは重要といえます。なぜなら、ハウスメーカーによって得意な分野や商品、費用やサービスが違うからです。

また、住宅は定期的なメンテナンスをしたり、将来的にリノベーションをしたりすることも考えられます。ハウスメーカーと契約した後に、ほかのハウスメーカーにすればよかったと後悔しないように、複数のハウスメーカーを検討するとよいでしょう。

納得がいくまで話し合いをする

納得がいくまで話し合いをすることも、失敗しないためのコツといえます。理想にかなった注文住宅を建築するには、住宅会社の設計や営業の担当者と納得がいくまで話し合いをすることが大切です。

細かい部分までこだわって、じっくりと打ち合わせをすると、満足のいく家づくりができる可能性が高くなります。

生活動線を考えたり予算を抑えたりする方法を自分で考えるのは難しいため、担当者に自分の要望をきちんと伝え、納得できる建築プランと、満足のいく家づくりをかなえましょう。

後悔しないために事前にシミュレーションをしておく

注文住宅を建築する際は、事前に住宅展示場やショールームで実物イメージを確認しておくことが重要です。ただ、毎日の暮らしの中で、複数の住宅展示場やショールームに訪問できる方は多くはないでしょう。

そのような方におすすめなのが「LIVRA WORLD」です。「LIVRA WORLD」は、いつでもどこでもスマートフォンやタブレット端末から内見ができるオンラインの展示場になります。

実際の展示場に訪問せず、家族でモデルハウスのイメージを共有することが可能です。また、モデルハウスをカスタマイズしてシミュレーションもできるため、理想の家づくりに活用できるでしょう。

注文住宅の失敗例を把握して理想の家づくりを

本記事では、注文住宅におけるシーン別の失敗例、失敗しないためのコツや対策方法について解説しました。事前に注文住宅の失敗例を把握して、間取りや設備、デザインなどをシミュレーションしながら快適で満足のいくマイホームを実現させましょう。



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