工務店に依頼した際によくあるトラブル事例8選|回避策や相談先も紹介

家づくり
工務店に依頼した際によくあるトラブル事例8選|回避策や相談先も紹介

新築住宅を建築しようと考えたとき、ハウスメーカーではなく地元密着の工務店へ依頼する方もいらっしゃることでしょう。工務店は自由度が高い点や価格を抑えやすい点など、さまざまなメリットがあります。しかし、工務店に依頼したことでトラブルに発展してしまった事例もあるため、注意も必要です。

今回は、工務店へ依頼した場合にどのようなトラブル事例が起こり得るのかを解説します。また、トラブルを回避するために注意すべきことや、万が一トラブルが発生してしまったときの相談先についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 工務店に依頼した際によくあるトラブル事例8選

工務店で起こりがちな主なトラブル事例は以下のとおりです。なぜトラブルに巻き込まれてしまうのか原因を探っていきましょう。

工期が遅延した

最初に想定していた工期が思うように進まず、遅延してしまうトラブルです。工期が遅れてしまうと竣工にあわせて予定していた引っ越しなども日程がずれてしまい、住宅ローンと賃貸物件の家賃を二重に支払わなくてはならない恐れもあるでしょう。

工期が遅延する原因は多岐にわたりますが、中でも天候や自然災害の影響、人員不足、資材不足などがあげられます。とくにハウスメーカーと比べて小規模な工務店だと人員不足なども原因になりやすいです。

また、最初に予定していた間取り・設計を途中から変更した場合や、施工途中でミスが発覚し修繕しなくてはいけなくなった場合などでも、遅延が発生する可能性があるので注意しておきましょう。

完成物がイメージと違った

ほとんどの工務店には大手ハウスメーカーのようなモデルハウスや住宅展示場はありません。そのため、現物を見ないまま新築住宅の建築をスタートさせることになります。

イメージどおりにできればよいのですが、いくら図面どおりであっても想像していたものとは違っており、仕上がりに納得できないケースもあるでしょう。たとえば、図面は正確でも思ったより空間が狭く感じてしまうなどといったケースです。

完成物がイメージと異なってしまう原因として、施主側と工務店側で常識や認識にズレが生じていることがあげられます。とくに天井の高さや窓の位置、生活動線、コンセントの場所と数などは図面だけだとイメージしにくいので、この辺りも含めた工務店とのすり合わせは入念に行っておきましょう。

コミュニケーションがうまくいかない

工務店の担当社員とうまくコミュニケーションがとれないことが原因で、トラブルを招いてしまう恐れもあります。とくにコミュニケーションがうまくいかず、伝達ミスによって起きやすいのが、「言った・言わない」問題です。

たとえば、打ち合わせの時点で「キッチンにはこの設備を導入したい」とお願いしたにもかかわらず、完成したキッチンを見ると希望が反映されていなかったというケースもあります。この問題は、打ち合わせの内容を記録していなかったことが原因です。

また、工務店側の営業担当と施工担当で情報共有ができていないことが原因で、建築トラブルを発生してしまうこともあります。これらのトラブルが発生しないように注意しておきましょう。

アフターフォローの対応が遅い

工務店では建築後のアフターフォローとして、定期点検や住宅設備保証などを設けているところもあります。しかし、こういったサービスは新規顧客からの依頼に比べると後回しにされやすく、アフターフォローの対応が遅れてしまうケースもあるのです。

また、工務店の場合は人員が不足しやすく、繁忙期の影響でアフターフォローの対応が遅れる場合もあります。暮らしにも大きく関わってくる部分となるため、事前に説明されていた点検のタイミングが来たのに連絡が来ないときは、早めに問い合わせましょう。

契約後に担当社員の態度が変わった

最初はとくにトラブルが生じなくても、契約してから急に担当社員の態度が変わってしまうケースもあります。当初は家づくりのこだわりや要望を聞いてくれていたのに、契約後の打ち合わせで「難しいです」と言われたり、打ち合わせそのものの回数が減少してなかなか家づくりが進まなかったりするなどです。

こうした契約後に担当社員の態度が変わってしまうトラブルは、1人で何人も顧客を抱えている場合に起こりやすくなっています。「とりあえず契約がとれればいい」と考えており、連絡をしたくても忙しいことを理由に逃げられてしまうこともあるので、工務店選びの際には、その担当者も注視しておきましょう。

施工ミスがあった

住み始めてからすぐに欠陥や不具合が生じた場合、施工ミスの可能性が高いです。たとえば、通常すぐに剥がれないはずのクロスに剥がれが生じたり、床に知らない傷がついていたりするケースもあります。

明らかに施工ミスである場合は無償で修繕してもらうことも可能ですが、そのために問い合わせが必要だったり、日程を調整したりする必要があるため、手間に感じる人も少なくありません。施工ミスは工務店の技術力が原因となるため、完全に防ぐことは難しいです。なるべく後で手間がかからないようにするためにも、最終チェックの際には細かい部分まで確認することが大切です。

最初の見積もりより高く請求された

工務店と契約する際には、基本的に設計図や施工内容だけでなく、見積もりも確認した上で契約するものです。しかし、追加工事を行った影響で最初の見積もりよりも実際の請求額が高くなるトラブルもあります。

こうしたトラブルは工務店側から追加工事を提案されることで起きるケースもあれば、施工中にミスが発覚してその修繕に費用が発生するケースもあります。また、施主が工事の途中で変更を希望することでも起こり得るトラブルです。

このようなトラブルを防ぐためには、あらかじめ見積もり内容をよくチェックしておいてください。また、追加工事を提案された際は新たに見積書の提出をお願いしましょう。

近隣住民とトラブルが発生した

新築工事の影響で近隣住民とのトラブルにつながる事例もあります。たとえば工事中の騒音や、工事車両の通行や停める場所の問題、養生が十分にできていなかったことで隣家にまで塗料が飛んでしまい、クレームを受けてしまうなどといったケースです。

近隣住民の方とは長く付き合っていくことを考えると、なるべくトラブルが起きないように注意しなくてはなりません。工務店に依頼する際には、事前に近隣住民へ挨拶回りを行うかどうか確認しておくと安心でしょう。

トラブルを回避するためのポイント

家づくりの際になるべくトラブルを回避するためには、いくつか注意点があります。どのような点に注意すべきか解説していきましょう。

打ち合わせの記録をとる

家づくりにおける打ち合わせは数か月以上の長期間にわたって行われ、決めなくてはいけないことも多くあります。「何を決めなくてはいけないか」「これまでどんな内容で決定してきたのか」を正確にするためにも、打ち合わせ内容の記録は重要です。

また、打ち合わせ内容を記録しておくことで「言った・言わない」のトラブルを回避できます。記録する方法はその場でメモするだけでなく、可能であれば音声録音をしておくと確実に記録することが可能です。ただし、録音する際は必ず担当者や打ち合わせに参加する人全員に許可をとる必要があるので、勝手に録音するのはやめましょう。

図面の確認を入念にする

注文住宅を建てる際、具体的なイメージをつかみ計画を詳細に立てていかなくてはなりません。ここでなんとなくのイメージのまま計画を進めてしまうと、思い描いていたものとズレが生じてしまう恐れがあります。こうしたトラブルを回避するために活用したいのが、図面です。

毎回打ち合わせで図面に決定事項や変更点などを落とし込んでもらい、自身が思い描いている家と相違ないか確認してみましょう。この図面を次の打ち合わせ時に用意しておけば、前回の決定事項・変更点なども反映した状態で話し合いが進められます。

担当者と信頼関係を築く

工務店の担当者と信頼関係を築くことも、トラブルのない家づくりにするために重要な要素です。たとえば信頼関係を築いていれば、ちょっとしたことでも疑問に感じたこと・不安に思うことを相談しやすく、またこだわりや希望も伝えやすくなります。

担当者とコミュニケーションをとるときのポイントとして、言葉以外に参考資料などがあると自分の思い描くイメージが伝わりやすいです。たとえば「こんな外構にしたい」と画像を見せることで、設計・デザインを実際に作成する際の参考にできます。工務店側との齟齬をなくすためにも、積極的にコミュニケーションをとって信頼関係を築きましょう。

​​定期的に現場に足を運ぶ

施工時のトラブルを回避するには、定期的に現場へ足を運ぶことも大切です。現場を訪れることで現在の進捗状況が把握できたり、現時点で打ち合わせした内容と違う点がないか確認できたりします。

また、図面ではわかりにくかった箇所の仕上がりを実際に見ることも可能です。実物を見て、イメージと若干異なる場合、そこで修正してもらえる可能性があります。大きなトラブルに発展させないためにも、なるべく時間をつくって現場へ訪れてみましょう。

近隣住民へ挨拶する

家づくりが始まる前に、近隣住民へ挨拶回りを済ませておくとトラブル回避につながります。施工中はどうしても騒音が発生したり、工事車両の往来があったりするでしょう。事前に近隣住民へ挨拶をしておくことで、そういったことが起こることを事前に周知させられます。

また、この挨拶があるかないかで近隣住民からの第一印象も変わってきます。挨拶回りのタイミングは地鎮祭当日が望ましいです。両隣と真向かい、真向かいの両隣、真裏にある家には挨拶をしておきましょう。

信頼できる工務店を選ぶ

家づくりでトラブルを発生させないためにも、信頼できる工務店を見極めましょう。信頼できる工務店を選べば、トラブルの回避だけでなく夢のマイホームの実現にも大きく近づけます。

信頼できる工務店を選ぶためには、まず複数の工務店で比較することが大切です。それぞれの工務店に相談し、担当者との相性や態度、説明のわかりやすさなどを確認します。

また、工務店の実績や得意とする部分なども比較しておくと安心です。こうした情報は工務店のホームページから参考にできます。口コミはあくまで他人の意見ではあるため、信じ過ぎずあくまで参考程度に留めておきましょう。

トラブルが発生した場合の相談先

万が一悪質な工務店にあたってしまいトラブルが発生した場合、どこに相談すべきでしょうか?

おすすめの相談先を3つご紹介し、それぞれどのような相談ができるのか解説します。

国民生活センター(消費生活者センター)

国民生活センターは、あらゆる消費者問題に対して解決・支援を行う国の機関です。さまざまな消費者問題に対応しているため、注文住宅の購入や建築時のトラブルに関する相談も受け付けています。

電話で相談したい場合は消費者ホットライン「188」を活用しましょう。もし消費者ホットラインに電話しても話し中でつながらない場合は、「平日バックアップ相談」の電話番号(03-3446-1623)もアナウンスされるので、そちらに問い合わせてみるのもおすすめです。また、各都道府県には消費生活センターや消費生活相談窓口も用意されているため、窓口に直接相談に訪れることもできます。

日本司法相談センター・法テラス

法テラスとは、総合法律支援法にもとづいて国が設立した公的な法人機関です。家づくりに関して工務店と法的トラブルが発生した際に、どのような対応をとるべきか、どこに相談すべきかなどをアドバイスしてもらえます。

法テラスへの相談は電話・メール・窓口から直接行うことも可能です。サポートダイヤルへの問い合わせは平日9:00〜21:00、土曜日9:00〜17:00まで対応しています。メールなら24時間相談を受け付けているので、相談したいものの時間や曜日が合わないときはメールを活用しましょう。

住宅瑕疵担保責任保険

住宅瑕疵担保責任保険は、新築住宅の引き渡しが行われてから瑕疵(欠陥・不具合)が発見された際、補修を手がける事業者へ保険金が支払われる保険です。この保険に加入していれば工務店側は負担なく修理が行えるため、スピーディーな問題解決につながります。また、引き渡し後に発見された瑕疵は引き渡しから10年間であれば修理料金を請求することが可能です。

さらに引き渡し後、しばらく経過してから不具合が発覚し工務店へ問い合わせたものの、すでに倒産していた場合にも保険法人に連絡すれば補修に必要な費用を補償してもらえます。万が一のことも考えて、工務店を選ぶ際は住宅瑕疵担保責任保険へ加入しているかもチェックしてみましょう。

まとめ:家を建てる際のトラブルを未然に防ごう!

工務店に依頼して家づくりを行う場合、さまざまなトラブルに見舞われてしまうこともあります。こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、今回ご紹介してきた事例を把握した上で対策を講じておくことが大切です。

また、後悔しない家づくりを行うためには、自身のこだわりたい箇所やデザインなどを具体的にイメージする必要があります。バーチャル住宅展示場の「LIVRA WORLD」では、自宅にいながらモデルハウスの内見が行える便利なサイトです。工務店へ家づくりの相談をする前に、どのような家をつくりたいか参考にする際にぜひ活用してみてください。

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