土地価格の調べ方│参考にする5つの情報を自分で調べる方法を解説

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土地価格の調べ方│参考にする5つの情報を自分で調べる方法を解説

土地の価格・相場が知りたい場合、どのように調べればわかるかご存じでしょうか?不動産会社に査定してもらう方法もありますが、より気軽に知りたい場合には、これからご紹介する5つの調べ方がおすすめです。

なお、土地は需要と供給のバランスや周辺環境、市場の状況によって変動しやすく、定価は決められていません。今回ご紹介する調べ方は正確な土地価格がわかるものではなく、あくまでも目安の価格であることを認識しておきましょう。

土地価格の調べ方①公示価格を調べる

最初にご紹介するのは、公示価格を調べる方法です。注意点についても解説するので、確認しておきましょう。

公示価格とは

公示価格(公示地価)とは、国土交通省の「地価公示」で公開されている土地の価格です。毎年1月1日時点での標準賃価格を3月下旬頃に公開しています。地価公示は不動産鑑定や土地の価格審査を行う際の基準となっており、土地の売買取引を中心にさまざまなシーンで活用されているものです。

公示価格を調べる方法│土地総合情報システムを閲覧する

公示価格を調べる方法として「土地総合情報システム」の活用が挙げられます。土地総合情報システムとは国土交通省が運営するWebサイトで、不動産の取引価格・公示価格・都道府県地価調査の価格などを調べることが可能です。

利用する際は、土地総合情報システムのトップページに表示されている「地価公示 都道府県地価調査」のボタンをクリックしましょう。すでに公示価格を知りたい地域が決まっていれば、「詳細地域指定(地名入力)」をクリックし、以下の項目を入力していきます。

  • 都道府県名
  • 市・郡名
  • 区・町・村名
  • 地名(住居表示)

このとき、数字やハイフンなどは全角文字で入力するようにしましょう。また、地名(住居表示)の項目ではすべて入力をしなくても、部分一致で検索が可能です。

次に検索条件を指定します。対象を「地価公示のみ」、調査年を「最新調査年のみ」に指定して「検索」ボタンを押してください。

表示された検索結果は上から最新調査の情報が順番に掲載されています。右上の「詳細を開く」を押すと不動産鑑定士による鑑定評価書をチェックすることも可能です。

公示価格を参考にするときの注意点

公示価格を参考にするときに気をつけたいのが、実際の相場とズレが生じている可能性がある点です。公示価格の目的は、適正な価格で取引されるよう、目安となる数字を公開することです。しかし、この公示価格を必ず使って不動産取引を行う義務まではありません。

たとえば、同じエリアにある土地であっても、人通りの多いところと少ないところで若干相場が変動します。とくに、人が少なくなっている過疎化が深刻な場所では公示価格よりも低めの金額で取引されている場合もあるでしょう。このように、公示価格が必ずしも取引額と一致するわけではないことを理解することが大切です。

土地価格の調べ方②相続税路線価を調べる

次に、相続税路線価から土地価格を調べる方法をご紹介します。注意点についても確認しておきましょう。

相続税路線価とは

相続税路線価(路線価)は、相続税・贈与税の計算において根拠となる土地の評価額を求めるための価格です。国税庁が1月1日時点の価格を毎年7月1日に公表しています。対象は「主要道路に面した土地」となるため、市街地であればほとんど全域の価格が発表されているのが特徴です。

しかし、公示価格の8割ほどの数字となるため、公示価格と比べたい場合は割り戻さなくてはなりません。また、そもそも基準地として評価されていない土地だと発表されていない点もデメリットになります。

相続税路線価を調べる方法│路線価図・評価倍率表を閲覧する

相続税路線価を調べるには、「路線価図・評価倍率表」を参考にします。路線価図・評価倍率表は国税局により公表されているものです。

まずは「路線価図・評価倍率表」を開き、上部に設置されたタブで調べたい土地の年代を選びます。最新版が知りたいときは左側にある最新版と記載されたタブをクリックしましょう。次に、調べたい土地がある都道府県名をクリックします。

財産評価基準書の目次に移動したら「路線価図」をクリックして、市区町村を選んでください。市区町村を選択すると細かい地名が表示されます。この中で該当する土地の路線価図が記されたページ番号が表示されているため、クリックすれば路線価図をチェックすることが可能です。

路線価図は主に道路に面した宅地の1平方メートルあたりの価額(1,000円単位)が記載されています。たとえば「2200」と記載されている場合、1平方メートルあたりの相続税路線価は220,000円です。また、各路線価の右隣にA~Gが表記されていますが、これは借地権割合を表しており、以下のとおりとなります。

  • A…90%
  • B…80%
  • C…70%
  • D…60%
  • E…50%
  • F…40%
  • G…30%

相続税路線価を参考にするときの注意点

相続税路線価は上記でもご紹介したように、相続税・贈与税を算出するために用いられる指標です。そのため、あまり土地の売買では使用されていないことも念頭に置いておきましょう。

また、同じ道路沿いにあっても、使いにくい形状だったり角地だったりすると価格も違ってくるので注意してください。

土地価格の調べ方③固定資産税評価額を調べる

固定資産税評価額からも土地価格を調べることは可能です。続いては、固定資産税評価額を調べる方法についてご紹介します。

固定資産税評価額とは

固定資産税評価額とは、固定資産税・都市計画税を算定するために用いられる土地の評価額です。市町村が3年に1回の頻度で算出しています。土地の評価額は基本的に所有者のみに通知されるものですが、「固定資産税路線価」として公表もされているため、ここから確認することも可能です。

なお、固定資産税評価額も公示価格の7割程度となるため、公示価格と比較する際には割り戻してください。

固定資産税評価額を調べる方法│縦覧帳簿を閲覧する

固定資産税評価額を調べる方法は主に3つありますが、その中でも自身が所有していない土地を調べたいときは「縦覧帳簿」を活用します。縦覧帳簿とは、土地課税台帳に登録されている土地の中で固定資産税にかかる価格などを記載した帳簿です。縦覧帳簿は毎年3月31日までに市町村長が作成し、公表しています。

固定資産課税台帳を閲覧するには、東京都23区であれば都税事務所、東京23区以外であれば所在地の市区町村役場で閲覧することが可能です。なお、東京23区であれば対象の土地がある区内の都税事務所での確認は不要で、どの都税事務所からも閲覧できます。

固定資産課税台帳を閲覧できるのは、以下の条件のうちいずれかに該当している人です。

  • 固定資産税の納税義務がある人(共有者含む)、またはその相続人
  • 借地人、借家人など、賃借権その他の使用や収益を目的とする権利を持っている人
  • その他法令などにもとづく正当な理由があると総務省令で定められている人
  • 賦課期日後の所有者 

また、閲覧はできませんが訴えを提起している人は固定資産課税台帳を取得できます。

土地価格の調べ方④実勢価格を調べる 

土地価格を調べる方法には、実勢価格から調べる方法もあります。ここでは、実勢価格の特徴と調べる方法についてご紹介していきます。

実勢価格とは

実勢価格とは、実際の取引でついた価格です。売主と買主がそれぞれ納得した上で決められた金額となるため、これまで紹介してきた土地価格よりも現実的な価格といえます。

ただし、そのときの経済情勢や需給関係なども異なることから、実勢価格が正しい土地価格とは判断できません。また、実際に取引された金額なので信頼性は高いものの、調べたい土地の近くの実勢価格が公表されているとは限らない点には注意が必要です。

なお、実勢価格は個人情報やプライバシーの特定につながる恐れがあるため、国土交通省が3か月ごとに特定につながらないよう加工してから公表されます。

実勢価格を調べる方法│土地総合情報システムを閲覧する

実勢価格を調べるには、公示価格を調べたときと同様に「土地総合情報システム」を活用します。まずは、「土地総合情報システム」のトップページにある「不動産取引価格 情報検索」をクリックしてください。

取引時期が四半期ごとに選択できるため、どの時期の実勢価格が見たいかを決めます。次に不動産の種類を選びましょう。不動産の種類は宅地・土地・土地と建物・中古マンションなど・農地・林地・すべてから選べます。

不動産の種類を選んだら具体的な地域を選択しましょう。「住所から探す(地図を選ぶ)」だと都道府県・市区町村・地区を指定して検索することが可能です。「路線・駅名から探す」だと地方・路線・駅から検索できます。

あとは、「この条件で検索」をクリックすればその地域の実勢価格を見ることが可能です。なお、取引総額以外にも、建物の特徴や利用目的、前面道路、建ぺい率・容積率なども閲覧できます。

土地価格の調べ方⑤周辺地域の実際の価格を調べる 

土地価格の調べ方として、周辺地域の不動産会社から公表されている実際の価格を調べてみる方法もあります。該当する地域にある不動産会社のホームページ・チラシから簡単に価格を調べられるため、相場を捉えることが可能です。

ただし、この方法で注意すべきなのは不動産会社が売り出し価格として掲載しているものと、実際に成約した際の価格にはズレが生じてしまう点です。不動産会社の中には売り出し価格よりもあえて高めに設定しておき、値下げ交渉があったとき対応できるようにしている場合もあります。

売り出し価格と成約価格のズレに気付かないと最初の相場設定を見誤ってしまう可能性が高いです。参考にできないわけではないものの、掲載されている数字が売り出し価格なのか、それとも成約価格なのかきちんと確認しておいた方がよいでしょう。

土地の価格に影響する5つの要因とは? 

土地価格が一定にならず変動してしまうのは、さまざまな要因が影響しています。どのような要因によって土地価格が変動しているのか解説していきましょう。

利便性

土地の利便性が高ければ高いほど、価格は値上がりしていきます。たとえば、新築の戸建てを建てる場合、通勤・通学を考えてエリアを決める方もいるはずです。

車を所有していれば郊外でも問題ないかもしれませんが、電車やバスでの通勤・通学となると駅からなるべく近いところを選びたくなるでしょう。また、交通の利便性に加えて病院や警察署、消防署が近くにある、商業施設が多いなども、快適な生活を送るための利便性につながります。

面積

土地は大きければ大きいほど値上がりするように思えますが、実際にはそうではありません。土地はその地域に見合った、使いやすい大きさに整備されているものです。たとえば、住宅地の区画が平均50坪だった場合、買いたい土地の坪数も50坪であれば平均と同じ面積になるため、評価も下がりづらくなります。

一方、周りの区画が50坪であるにもかかわらず、1つだけ100坪と倍以上の区画がある場合、坪数は倍になるものの周りと比べて大きすぎることから評価が下がり、価格も変動する可能性が高いです。このように、土地の面積が大きい=高い、面積が小さい=安いとは限らないため注意してください。

形状

土地価格は面積だけでなく、形状も大きく影響してきます。その土地をどのように活用するかでも異なりますが、基本的に住宅用であれば正方形、または長方形などの整形地の需要が高く、評価も下がりづらいです。

一方、道路に面している敷地が路地状になっていて、その奥に建物を建てられる敷地がある「旗竿地」や円形の土地、鋭角がある土地だと家が建てづらいため需要が低く、評価も下がってしまいます。不整形地であったとしても、家を建てられないわけではありません。不動産会社によっては土地の形状を活かしたプランを提案してくれる場合もあります。

方角

土地を購入する上で、方角を気にされている方もいます。たとえば、「日当たりがいい土地にしたい」「風水的に東側が開けている土地にしたい」などで土地を決めている方もいるでしょう。とくに4つの方角の中でも南→東→西→北の順で土地価格が高くなる傾向にあります。

ただし、土地の方角だけで購入するか判断されているわけではありません。もし北向きの土地を売却したい場合でも、その土地ではどのようなことができるのか活用方法を考えた上で売り込めば、ニーズに合った土地を探している買主も見つかるはずです。

経済情勢

土地の価格は日本や世界で起きる経済情勢による影響も受けます。たとえば、再開発事業によってその土地がある地域の景気が活性化した場合、土地価格も向上するでしょう。

逆に商店街が次々と閉店しているような土地だと評価も下がってしまい、土地価格の低下につながりやすいです。他にも、大規模な自然災害や感染症の拡大によって全国的に経済情勢の停滞・悪化が見られれば、以前は活性化されていた商業地であっても土地価格が低下する可能性もあります。

ただし、経済情勢が悪くなったとしても金利の抑制によって土地のニーズが高まることもあるでしょう。金利が抑制されれば住宅ローンを低金利で借り入れることができ、住宅購入者が増加するためです。

まとめ:実際に土地価格を調べてみよう

今回は土地価格の調べ方と、土地価格が変動する要因について解説してきました。「購入する土地の相場が合っているのか知りたい」「売却したい土地の相場が知りたい」といった場合に土地価格を調べるのがおすすめです。土地価格を調べる際は今回ご紹介した方法を参考に、公的機関が公表しているデータなどを活用するとよいでしょう。

ただし、いずれも定価ではなく、あくまで参考にするためのデータです。実際の土地価格を算出したい場合は、不動産会社に問い合わせて鑑定を依頼してみましょう。



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