住宅の新築でかかる税金一覧│活用したい減税措置も解説

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住宅の新築でかかる税金一覧│活用したい減税措置も解説

新築を建てると、固定資産税などさまざまな税金がかかってきます。主に5つの税金が課税されるため、支払いのためにもかかる税金を事前に把握しておくことが大切です。税金の種類によっては1度に数万円を支払わなければならないものもあり、大きな出費になってしまうでしょう。

本記事では、新築住宅の建築時にかかる税金や購入後に毎年かかる税金の種類、それぞれの税金で受けられる減税措置について解説していきます。

新築住宅建築時にかかる税金の種類

新築建築時には、建築費以外の諸経費がかかり、その中には税金も含まれています。

まずは、新築建築時の税金の種類について把握しておきましょう。新築建築時には、印紙税・登録免許税・不動産取得税・消費税の4種類の税金が主にかかってきます。

それぞれの納税時期や税額計算方法、減税措置についてご紹介します。

印紙税

印紙税は、契約時に作成される書類にかかってくる税金のことです。国が発行する収入印紙を書類に貼り、印紙の購入代金を通して税金を支払う必要があります。

納税時期

支払い時期は、住宅の売買契約や工事請負契約、住宅ローンの契約時です。収入印紙を契約書に貼り付け、再利用できないようにその上に消印を押すことで、納税したと見なされます。

もし収入印紙の貼り忘れや印紙税の不足があると、「過怠税」として印紙税額の3倍を支払わなければならないため注意しておきましょう。

税額の計算方法

印紙税は、契約金額によって決まります。

たとえば、1,000万円から5,000万円以下の新築住宅を建築する場合、2万円の収入印紙を購入して契約書に貼り付けます。5,000万円から1億円以下の住宅の場合は6万円です。

契約金額が1万円未満のものであれば非課税になりますが、住宅は高価な買い物になるため、ほとんどの場合で収入印紙を購入して印紙税を支払う必要があると考えておきましょう。

減税措置

印紙税では、以下の課税文書に対して減税措置が設けられています。

  • 不動産の売買契約書
  • 建設工事請負契約書

ただし、令和6年3月31日までにの間で作成されたもののみが対象です。

たとえば、1,000万円から5,000万円以下の契約金額の場合、不動産売買契約書・建設工事請負契約書どちらも本則税率だと2万円の印紙税ですが、減税措置の場合は1万円の印紙税となります。

登録免許税

登録免許税は、購入・取得した土地・建物を登記するときに課せられる税金のことです。住宅を建築するとき、土地や建物を購入した人の所有権を登記しなければなりません。これは、法務局の登記簿に所有権を記録するために必要な手続きです。

土地・建物を新たに所有する人が納税義務者となり、銀行などで現金納付するのが一般的な納税方法になります。

納税時期

納税のタイミングは、土地や建物の所有権が移動して自分の所有になったタイミングです。新築住宅の場合、家を引き渡された日が登記を行う時期ということになります。

税額の計算方法

税額は固定資産税評価額と税率を掛けて算出されます。

ただし、住宅ローンを利用して住宅を建築する場合、抵当権の設定登記の際にも登録免許税がかかり、「債券金額×税率」の計算式で税額が算出されます。

税率は建物や土地など、登記する種類別の計算式は以下のとおりです。

  • 土地の所有権移転登記:2.0%(固定資産税評価額×税率)
  • 建物の所有権保存登記:0.4%(固定資産税評価額×税率)
  • 土地の所有権保存登記:2.0%(固定資産税評価額×税率)
  • 住宅ローンにかかる抵当権の登記設定:0.4%(債券金額×税率)

一定の条件を満たすと減税措置が適用されるので、上記の税率よりも低い率で算出された税額を支払うことになります。

減税措置

一定の条件を満たすことにより減税措置が取られ、以下の税率での支払いを行うこととなります。

  • 土地の所有権移転登記:1.5%(2024年3月31日まで)
  • 建物の所有権移転登記:0.3%
  • 抵当権の設定登記:0.1%

減税措置を受けるためには、2024年3月31日までに新築を取得、床面積が50平方メートル以上必要などの一定の要件を満たさなければなりません。また、要件を満たしていることを証明するために、登記の申請書に住宅用家屋の所在地の市町村長の証明書を添付して提出する必要があります。

さらに、特定認定長期優良住宅や認定低炭素住宅を建築する場合、所有権保存登記などの税率が0.1%になるなど、住宅の条件によっても軽減税率が変わってきます。少しでも条件のよい減税措置を受けるために、長期優良住宅の証明を受けるといった方法も検討しましょう。

不動産取得税

不動産取得税とは、土地や建物を売買・交換・贈与・新築・増築などで得た場合に課せられる税金のことです。新築住宅を建築したタイミングで課税されます。

納税時期

土地や建物を引き渡した後に行政から納付書が届きます。納付書が届いたタイミングが納税時期です。納付書が手元に届くまで数か月以上要する場合もあるので、届いたときに税金を支払えるように準備しておく必要があります。

税額の計算方法

税額は以下の計算式で算出されます。

不動産取得税=固定資産税評価額(課税標準額)×税率(標準税率4%)

2021年3月31日までは税率が3%でしたが、2021年4月から税率が4%に変わっています。

減税措置

新築住宅の場合、以下に記した一定の条件を満たすと減税措置を受けられます。

  • 床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下(戸建て以外の賃貸住宅の場合は1戸あたり40平方メートル以上)
  • 個人が住むことを目的とした住宅全般に適用

新築の建物にかかる不動産取得税は、上記の条件を満たすことで固定資産税評価額から1,200万円の控除を受けることが可能です。

たとえば、固定資産税評価額が1,500万円の場合は以下のようになります。

  • 減税措置を受けない場合:1,500万円×3%=45万円
  • 減税措置を受ける場合:(1,500-控除額1,200万円)×3%=9万円

減税措置を受けると、受けない場合よりも36万円も減税されるため、この差は非常に大きいといえるでしょう。

なお、認定長期優良住宅であれば1,300万円の控除が受けられるため、以下の計算で算出された税額の支払いが必要です。

(1,500-控除額1,300万円)×3%=6万円

長期優良住宅の場合の方が、減税措置が大きいことがわかります。

また、新築住宅を建てた敷地も、一定の条件を満たすことで減税措置を受けることが可能です。税額は以下の計算式で計算されます。

土地の不動産取得税=((土地の固定資産税評価額×1/2)×3%)-軽減額

軽減額は「45,000円」もしくは、「(土地1m2あたりの固定資産税評価額×1/2)×住宅の床面積×2×税率3%」の計算式で弾き出された金額のうち、大きい金額の方が適用されます。

消費税

土地と建物を一緒に購入する場合、消費税は建物の価格にだけ課税されます。つまり、土地には課税されません。たとえば、土地・建物で総額4,000万円のうち建物の価格が2,000万円の場合、消費税は2,000万円の10%(200万円)かかり、税込価格が4,200万円となります。

住宅建築後に毎年かかる税金

住宅を建築したら、建築時にかかる税金だけでなく毎年支払わなければならない税金もあります。それは、固定資産税と都市計画税です。

一戸建ての住宅の場合、固定資産税・都市計画税は合わせて平均で10万から15万円程度かかるといわれています。ただし、4年目以降は建物の減税措置がなくなるため、15〜20万円ほどの税金がかかってきます。

それぞれの税金について詳しく確認していきましょう。

固定資産税

固定資産税とは、土地や建物、償却資産などの固定資産にかかる税金のことです。固定資産税は、地方公共団体に納める地方税として分類されます。

固定資産税の納税義務者は、毎年1月1日時点で、土地や建物、償却資産を所有している人です。

納税時期

固定資産税の納税は、一括納付か年4回分割納付のどちらかで支払うのが原則です。納税通知書は自宅に郵送され、各期の支払い金額と納期が記されています。自治体によって納税通知書が送られてくる時期は異なります。

税額の計算方法

固定資産税は、固定資産税評価額に税率を掛けて算出されます。

各自治体が固定資産を評価して評価額が決定され、税率は地方自治体によって異なりますが、大体1.4%程度です。

減税措置

新築の住宅の場合、固定資産税の減税措置を受けるためには以下の条件を満たす必要があります。

  • 令和6年3月31日までに建てた新築である
  • 床面積が50〜280平方メートル以内である
  • 併用住宅の場合、居住部分が全体の1/2以上である

ただし、固定資産税の減税範囲は床面積の120平方メートル以内のため、120平方メートルを超えた床面積分は対象外となります。

また、減税期間は、新築戸建て住宅の場合3年間適用されます。なお、新築住宅が長期優良住宅に該当する場合は、減税期間が5年まで延長される優遇措置を受けることが可能です。

都市計画税

その年の1月1日時点で市街化区域に土地や建物を所有している人が納める税金のことを都市計画税といいます。都市計画税の分類としては、お住まいの地方公共団体に納税することから、地方税にあたります。

納税時期

都市計画税は、固定資産税と一緒に課税されます。そのため、固定資産税とともに地方公共団体から納税通知書が送られてきます。支払い方法は、一括納付か年4回に分けて分割で支払うかのどちらかです。

税額の計算方法

都市計画税は、評価額に税率を掛けて税額が算出されます。

最高税率は0.3%までと決まっています。実際にどのくらいの税率になるかは市町村によって異なるため、お住まいの市町村に税率を確認してみるとよいでしょう。

減税措置

課税対象となる敷地が住居用地の場合、減税措置を受けられます。住宅1戸につき200平方メートルまでの敷地の場合、都市計画税は1/3まで減税されます。200平方メートルを超える場合は評価額の2/3の減税です。

住宅資金の贈与を受けたときには贈与税がかかる

父母や祖父母、兄弟などから財産を受け取る場合、贈与税が発生します。ただし、住宅取得のための資産として財産を受け取る場合、要件を満たした場合に限り減税措置が取られます。なお、1月1日から12月31日までに受けた贈与が110万円までであれば贈与税はかかってきません。

税額の計算方法

1年に受けた贈与が110万円を超えた場合、超えた部分が課税対象となります。贈与税計算方法は、贈与額から基礎控除110万円を引いた金額から課税価格を計算します。次に、国税庁のホームページに載せられる税額と控除額を確認し、それに書かれている税率と控除額で贈与税額の計算を行ってください。

税率には、特例税率と一般税率があります。特例税率は、「両親・祖父母から受ける特例贈与財産」のことです。一般税率はそれ以外の贈与の場合のことを指します。たとえば、以下のように受け取る相手によって税率と控除額が異なってきます。

  • 両親から1,000万円の贈与を受けた場合だと特例税率にあたり、税率30%・控除額90万円となる
  • 兄から1,000万円の贈与を受けた場合だと一般税率にあたり、税率40%・控除額125万円となる

実際に計算してみると、以下のようになります。

両親から1,000万円の贈与を受けた場合(特例税率)

  • 課税価格:1,000万円-110万円=890万円
  • 贈与税額:890万円×30%-90万円=177万円

兄から1,000万円の贈与税を受けた場合(一般税率)

  • 課税価格:1,000万円-110万円=890万円
  • 贈与税額:890万円×40%-125万円=231万円

このように、1,000万円の場合、54万円もの税額の差が出てくるのです。

減税措置

父母や祖父母などの直系尊属から住宅を建築するための資金が贈与された場合、質の高い住宅であれば1,000万円まで、それ以外の住宅であれば500万円までの贈与が非課税となります。

ただし、減税措置は2022年1月1日から2023年12月31日までに贈与されたものが対象で、受贈者の贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であることが要件です。また、質の高い住宅は、以下のいずれかに該当する必要があります。

  • 断熱等級4以上もしくは一次エネルギー消費量等級4以上
  • 耐震等級2以上もしくは免震建築物
  • 高齢者等配慮対策等級3以上

上記を満たし、それを証明する証明書を添付することで控除が受けられます。

新築住宅取得後は住宅ローン控除(減税)で税金対策しよう

新築住宅を建築する際に、一定の要件を満たすことにより、住宅ローンの控除を利用することが可能です。住宅ローン控除は、2021年12月末で終了する予定でしたが、現在2025年12月末まで延長されています。

控除を受ける条件

住宅ローン控除を受けるためには、定められている以下の条件をすべて満たさなければなりません。

  • 自らが居住するための住宅である
  • 床面積が50平方メートル以上である
  • 合計所得金額が2,000万円以下である
  • 住宅ローンの借入期間が10年以上である
  • 引き渡しもしくは工事完了から6か月以内に入居する など

参考:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

また、2024年1月からは住宅ローン減税を受けるためには省エネ基準に適合する必要があるため、注意が必要です。

控除額の計算方法

控除額の計算方法は以下のようになります。控除期間は13年間です。

住宅ローンの年末残高(最高3,000万円)×0.7%=控除額(最高21万円)

上記の計算は、住宅が省エネ基準適合住宅で、令和6・7年入居予定の場合の控除額です。ZEH水準省エネ住宅の場合と長期優良住宅・低炭素住宅の場合だと借入金額の最高残高がそれぞれ3,500万円、4,500万円と変わってきます。それにより受けられる控除額も変動します。

控除を受ける方法

2024年・2025年に新築住宅へ入居する予定の場合、省エネ基準を満たさない住宅は住宅ローン減税の対象外となり控除を受けられません。住宅ローン減税の控除を受けるためには、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅のいずれかである必要があります。

また、上記の住宅であることを証明する書類も必要です。証明する書類は以下の2つになります。

  • 建設住宅性能評価書
  • 住宅省エネルギー性能証明書

上記のいずれかを添付することで住宅ローン減税の控除を受けられます。

まとめ:住宅の新築には多くの税金がかかる

新築の住宅を取得すると、さまざまな種類の税金を支払わなければなりません。建築費や土地の費用のほかに、税金などの諸費用もかかることを把握し、支払いのための資金も準備しておくようにしましょう。

家づくりの資金計画を建てる際には、税金も予算として組み込んでおくことが大切です。税金に関して不明点や不安点があるなら、住宅のプロやファイナンシャルプランナーなどに相談して支払いに備えておくようにするのもおすすめです。

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