注文住宅の諸費用一覧!相場の金額を知って予算を立てやすくしよう
注文住宅を購入する際には、ࢶ...
平屋の家は上の階がなく、部屋がすべて1階に集約されているので、足腰が弱い人や子ども、高齢者も安心して生活できます。家族の人数の変動や老後の生活などを踏まえて、平屋で新築を建てる人も少なくありません。新築で平屋を建てたいと思ったとき、真っ先に気になることといえば価格ではないでしょうか?
一般的に平屋は2階建ての住宅よりも建築費用が高くなりやすいといわれています。そのため、具体的にどのくらいの価格になるのか相場を把握した上で、検討することが大切です。そこで今回は、新築平屋の価格相場や価格を左右する要素について解説します。
目次
平屋は、同じ延床面積で2階建ての住宅を建てるよりも価格が高くなる傾向にあります。その理由は、2階建てよりも広い敷地面積が必要となるからです。
2階建ての家は、部屋を上の階と下の階に分散してつくれます。しかし、平屋ではリビングからキッチン、寝室、子ども部屋まですべて1階につくらなければなりません。そうなると必然的に、部屋の配置を分散できる2階建てよりも広い敷地が要求されるのです。
また、建物の面積が広くなる分、基礎や屋根にかかる工事費用も2階建てよりも割高になります。ただし、平屋の家は「移動がスムーズになる」「デッドスペースができにくい」などのメリットが豊富です。そのため、価格だけで決めず、建てた後のメリット・デメリットを踏まえて検討しましょう。
新築平屋の建築を検討するにあたり、どのくらいの価格になるのかイメージを持つことが大切です。参考として、坪単価や間取り別の建築費用、広さ別の土地価格の相場をご紹介します。
坪単価とは、1坪(約3.3平方メートル)に対する建築費用のことです。木造の新築平屋の場合、坪単価の相場は40~60万円が目安になります。
坪単価だけで正確な建築費用を求めることは難しいですが、建てたい家の広さが分かっていれば、大まかな建築費用を算出することが可能です。坪単価から建築費用の目安は、以下の計算式から算出できます。
建築費用=坪単価×延床面積
たとえば、25坪の平屋を建てる場合の建築費用は以下のように計算できます。
40~60万円×25坪=1,000~1,500万円
上記のケースでは、建築費用の目安が1,000~1,500万円と算出されました。ただし、坪単価は広さ・素材や設備のグレードなどによって変動し、相場よりも高くなることがあるので注意してください。また、ウッドショックや世界各地でのロックダウンなどによって設備や部材の値上がりした時期もあるので、経済情勢の影響を受けて坪単価が上昇するケースもあります。
次に、坪単価の相場を参考に間取り別の建築費用の目安を見ていきましょう。今回は1LDK~2LDKと3LDK~4LDKの2パターンからシミュレーションしていきます。
1LDK~2LDK(単身・夫婦2人など)
1LDK~2LDKの間取りは、単身や夫婦2人など少人数の暮らしに向いています。延床面積の平均は、1LDKであれば15~20坪、2LDKであれば20~25坪が平均です。
・1LDKの建築費用の相場
40~60万円×15~20坪=600~1,200万円
・2LDKの建築費用の相場
40~60万円×20~25坪=800~1,500万円
建築費用の目安は、1LDKが600~1,200万円、2LDKが800~1,500万円と算出されました。実際の建築費用には本体工事費に加えて、付帯工事費や諸費用が含まれます。そのため、算出した金額よりも少し高くなる可能性があることを念頭においておきましょう。
ファミリーにおすすめの間取りは3LDK~4LDKです。延床面積の目安は、2~4人家族に向いている3LDKが25~30坪、5人暮らしにも対応できる4LDKは30~35坪となります。
・3LDKの建築費用の相場
40~60万円×25~30坪=1,000~1,800万円
・4LDKの建築費用の相場
40~60万円×30~35坪=1,200~2,100万円
建築費用の目安は、1LDKが1,000~1,800万円、2LDKが1,200~2,100万円と算出されました。こちらもあくまで概算となるので、実際の価格は前後します。
平屋を建てるための土地を保有していない場合、土地の購入費用も建築費用全体の予算に含めなければなりません。土地の価格は、地域や広さなどによって変動します。また、実際の土地の購入では土地代に税金と諸費用が5~10%プラスされるので注意しましょう。
「平均坪単価×坪数+税金・諸費用10%」で土地価格の目安を計算し、20坪以下・~30坪・~35坪の広さに分けてご紹介します。
20坪以下は、単身や夫婦2人暮らしに向いているシンプルな間取りの平屋を建てられる広さになります。20坪以下の土地を購入する場合、主要都市ごとの土地価格の相場は以下のとおりです。
エリア | 土地価格の目安 | 平均坪単価(住宅地) |
東京 | ~約890万円 | 404,400円 |
大阪 | ~約341万円 | 155,200円 |
愛知 | ~約247万円 | 112,300円 |
福岡 | ~約145万円 | 65,800円 |
※平均坪単価は2023年7月1日時点のもの
地域ごとに坪単価の平均が異なるため価格差はありますが、20坪以下の土地であれば、500万円以下で購入できる可能性があります。1LDKの平屋の建築費用が600~1,200万円なので、土地の購入を含めると800~2,000万円程度でマイホームを建てることが可能です。
30坪ほどであれば、2LDKや3LDKの平屋を建てられます。20~30坪の土地を購入する場合、主要都市ごとの土地価格の相場は以下のとおりです。
エリア | 土地価格の目安 | 平均坪単価(住宅地) |
東京 | 約890~1,335万円 | 404,400円 |
大阪 | 約341~512万円 | 155,200円 |
愛知 | 約247~371万円 | 112,300円 |
福岡 | 約145~217万円 | 65,800円 |
※平均坪単価は2023年7月1日時点のもの
東京では土地価格が1,000万円以上になる可能性がありますが、その他の地域では500万円前後で購入できる場合があります。2LDKの建築費用の目安は800~1,500万円となるので、土地の購入を含めて1,000~3,000万円程度で平屋を建てられるでしょう。
35坪であれば、3LDKや4LDKの平屋を建てられます。30~35坪以下の土地を購入する場合、主要都市ごとの土地価格の相場は以下のとおりです。
エリア | 土地価格の目安 | 平均坪単価(住宅地) |
東京 | 約1,335~1,557万円 | 404,400円 |
大阪 | 約512~598万円 | 155,200円 |
愛知 | 約371~432万円 | 112,300円 |
福岡 | 約217~253万円 | 65,800円 |
※平均坪単価は2023年7月1日時点のもの
30坪よりも少し坪数が大きいので価格も少し上がりますが、東京以外では600万円以下で土地を購入できる可能性があります。4LDKの建築費用の目安は1,200~2,100万円なので、土地の購入を含めると1,500~3,600万円程度となるでしょう。
上記で平屋の価格相場をご紹介しましたが、実際の価格は建物や屋根の形状、床面積などさまざまな要素で大きく変わってきます。少しでも費用を抑えて平屋を建てたいのであれば、建築費用に大きく影響する要素を確認しましょう。
建物の形状が複雑になるほど、建築費用は高くなってしまうので注意しましょう。L字やこの字型など凸凹の多い形状となると、外壁の面積が増えてしまいます。そうなると、その分だけ壁の材料や工事の手間が増えてしまうのです。
同時に複雑な形状の建物は、建物を支える基礎の外周まで長くなります。基礎工事においても、凸凹のない形状よりも必要な材料や工事の量が増えてしまい、建築費用に影響を与えてしまうわけです。
コストを抑えて平屋を建てたいときは、できるだけ凸凹のないシンプルな形状で設計を考えてみましょう。
屋根の形状には切妻や片流れなど複数の種類があり、建物と同じく複雑な形状になるほど価格は上がっていくので注意しましょう。とくに勾配がきつい屋根ほど、必要な面積が増えてコストアップします。
たとえば、とんがり屋根とも呼ばれる寄棟は、4つの屋根面で構成されているのが特徴です。屋根面が多いので他の屋根よりも費用が高くなってしまう可能性があるでしょう。
1枚の面で構成される片流れ(一方向に傾斜がある形状)や陸屋根(勾配がなくほぼ平面の形状)は、コストを抑えられる可能性があります。ただし、片流れや陸屋根は、雨漏りのリスクに注意しなければなりません。
山のように2つの面で構成される切妻は、片流れや陸屋根よりも少し高くなりますが、雨漏りのリスクが低い形状となっています。また、メンテナンス費も比較的安いこともメリットです。
屋根の形状ごとにメリット・デメリットが異なるので、ランニングコストをはじめ初期費用以外の部分にも考慮して決めましょう。
建物の床面積が広くなるのに合わせて、建築費用は増えていきます。たとえば、2階建てと同じ延床面積で平屋を建てるとなると1階は2倍の広さが必要となるので、その分の屋根や基礎の材料や施工費用が高くなってしまうのです。
敷地に余裕があるからといって、安易に部屋を増やしてしまうと予算オーバーになってしまう可能性があります。場合によっては2階建ての方がお得に建てられる可能性もあるでしょう。床面積が原因で予算をオーバーしてしまうときは、1部屋あたりの面積を見直してみてください。
間取りも建築費用に影響を与える要素です。部屋数が多くなるほど床面積が増えると同時に、壁やドア、窓の数が増えます。つまり、壁・ドア・窓の設置に必要な材料と工事が増えてしまうので、コストアップにつながるのです。
コストを抑えて平屋を建てるのであれば、間取りを工夫しましょう。たとえば、子どもは後からパーテーションや棚で仕切れるようにする、書斎をつくらずにリビングや寝室の空きスペースを活用するといった工夫があります。また、吹き抜けやスキップフロアは気密性・断熱性を高めるためにハイグレードの建材が必要であり、建築費もかさむので避けた方がいい間取りです。
他にもリビングから各部屋に移動できるような廊下が少ない間取りにすると、廊下分の床面積を削減できます。実際に設計を考える際は、どのような間取りならコストダウンできるのか、設計士に相談してみましょう。
バスタブ・便器・シンク・給湯器などの住宅設備には、グレードがあります。高機能・高性能なものほど価格は高くなりがちです。
そのため、ハイグレードの設備で固めてしまうと、設備費用で大幅な予算オーバーとなってしまう可能性があります。設備のグレードは大切ですが、求める機能性・性能を持ちながらもコストを抑えて導入できるものを選びましょう。
また、実際に住んでみたら必要なかった設備を導入しているケースもあります。たとえば、ビルドイン食洗機やウッドデッキを導入しても、使う機会が少なければ無駄になってしまうでしょう。我が家に必要な設備なのか、じっくり検討することもコストダウンには大切です。
建材や素材にもグレードがあるため、種類によっては割高になってしまう可能性があります。グレードの高い建材・素材は価格が高い分、機能や性能も高いです。反対にグレードの低い建材・素材はローコストですが、住宅性能も下がってしまう可能性があります。
どの機能・性能にこだわりたいのか決めた上で、コストダウンできる建材・素材を選んでいくと、過度に住宅性能を下げるリスクを防ぐことが可能です。とくに断熱材や門・塀などの外構は妥協しない方がよいでしょう。逆にコストダウンしやすいものには、壁紙や外壁などの仕上げ材が挙げられます。
どのハウスメーカーに依頼するかによっても平屋の価格は異なります。その理由は、標準で搭載される設備や使用している素材・建材、プランの内容などに細かな違いがあるからです。
とくに平屋の実績が少ない会社の場合、選べるプランや間取りが限定され、資材が割高になっている可能性があります。そのため、平屋の実績が多いハウスメーカーを選び、いくつか見積もりをとって比較して依頼先を検討することが大切です。実際に相談してみて、担当者との相性や対応も確認しましょう。
「LIVRA WORLD」では、各ハウスメーカーや工務店のモデルハウスをご紹介しています。バーチャル住宅展示場を通じて、平屋の建築に対応しているハウスメーカーのモデルハウスや費用を比較することが可能です。施工会社選びに悩んでいる方は、ぜひ「LIVRA WORLD」を活用してみてください。
平屋の場合、防犯対策に徹底する必要はあり、それによってコストアップする可能性があります。平屋は開放的な住宅にできることがメリットです。しかし、部屋がワンフロアに密集している分、2階建ての家より侵入経路が多くなってしまうデメリットがあります。
また、外からの視線も気になりやすく、プライベートの確保が難しくなりやすい点にも注意しましょう。安心安全な暮らしを実現するためには、防犯やプライバシー保護の対策が必須です。具体的な対策方法には、以下のものが挙げられます。
どの家でも防犯対策は必須ですが、平屋はとくに徹底する必要があり、その分費用がかさんでしまいます。
平屋を建てるためには、ある程度の広さがある土地が必要です。土地の価格は形状や立地などによって異なりますが、広さも価格に影響を与える要素になります。
一から土地を買ってマイホームを建てる人は、土地の購入費用にも考慮して総合的にどれだけの費用がかかるのか予算を決めておかなければなりません。どの広さや間取りで家を建てたいのかイメージしておくと、無駄のない土地選びができるでしょう。
超ローコスト住宅を手がけているハウスメーカーであれば、土地ありで500~1,000万円台で平屋を建てられる可能性があります。超ローコスト住宅の特徴は以下のとおりです。
超ローコスト住宅では間取りや仕様が決まっているので、その分コストが抑えられ、スピーディーに施工できるメリットがあります。
ただし、選べない間取りや設備があるので、自由度は低めですが、とくに強いこだわりがなく、ローコストで平屋の家が欲しい人には向いています。安さと一定の品質を重視するのであれば、超ローコスト住宅で平屋が建てられるハウスメーカーを探してみましょう。
今回は、平屋の建築にかかる価格相場をご紹介しました。各部屋がワンフロアに集結した平屋は、開放的で動線がスムーズな家を実現できます。しかし、同じ延床面積の2階建ての家よりも費用が高くなる点がデメリットです。
家や屋根の形状・採用する間取り・素材・建材・設備のグレードなども価格に影響を与える要素になります。建築にはどのくらいの費用がかかるのか相場を把握し、理想の暮らし方とコストダウンを両立できるプランを考えていきましょう。
平屋を建てる際は、実績豊富な施工会社を選ぶことも重要です。オンラインからモデルハウスや費用の比較ができる「LIVRA WORLD」で、自分に合ったハウスメーカーを探してみてください。