注文住宅の諸費用一覧!相場の金額を知って予算を立てやすくしよう
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家づくりでは多額の資金が必要となるため、住宅ローンを組む場合がほとんどです。住宅ローンを組んだ後は長期にわたって返済することになりますが、完済後にどのような手続きを行えばいいのか知らない方もいるでしょう。
そこで今回は、住宅ローンを完済したら行う手続きの内容と、それにかかる費用を解説します。完済までの平均期間や一括完済のメリット・デメリットなどもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
フラット35を提供する住宅金融支援機構が公表する「2020年度 住宅ローン貸出動向調査」を参考にすると、2019年度における新規借入時の返済期間(約定貸出期間)は平均26. 7年でした。その一方で、実際の借り入れから完済までの平均返済期間(完済債権の平均経過期間)は約15〜16年となっています。
住宅ローンは最長35年まで借り入れが可能ですが、大半の人は20年以下で完済しています。理由として、繰り上げ返済や低金利の住宅ローンに借り換えすることで、早期完済を目指す世帯が多いことが考えられるでしょう。
返済期間を短くすればその分支払う利息も減り、経済的負担からも解放されます。また、ライフスタイルの変化に伴って住み替えが必要となり、まとめて返済した後に別途新しいローンを組むケースもあるようです。
住宅ローンをすべて返済し終わったときに必要な手続きは、抵当権の抹消と保険質権の解除です。どのような手続きになるのか解説します。
抵当権は、住宅ローンを組む際に購入する土地や建物に対して金融機関が設定する権利です。抵当権が設定された不動産でローンを滞納すると競売にかけられ、その資金により返済される仕組みとなっています。
抵当権はローンを返済し終わっても自動的には解除されません。そのため、自ら抹消手続きをする必要があります。抵当権を放置すると所有者にとってさまざまなデメリットが生じるので、完済後はなるべく速く手続きを行いましょう。
なお、どの不動産に抵当権が設定されているのかは、法務局から登記事項証明書を請求することで確認できます。抹消登記の手続きは自身で必要書類を集めて行うか、司法書士などの専門家に依頼してください。
住宅ローンを組む際、金融機関によっては火災保険に対して質権が設定される場合があります。保険質権とは、質権が設定された建物に損害が発生したとき、金融機関に対して優先的に保険金が支払われる権利のことです。
たとえば、抵当権が設定された建物が火事などで全焼した際、金融機関が貸付金の回収ができなくなることを回避するために設定されています。質権は完済にあわせて解除が必要です。
金融機関から保険証券や質権消滅承認請求書などの書類が届いたら、速やかに手続きを行いましょう。なお、質権を解除したからといって、契約した火災保険まで解約になることはないので安心してください。
毎月予定どおりに返済していく場合は、とくに手続きは不要です。しかし、ローン残高の全額を繰り上げ返済したい場合は、金融機関の窓口で手続きを行う必要があります。
手続きに要する期間は数週間〜1か月ほどです。時間がかかるので、1か月以上前から金融機関の窓口や担当者に連絡しましょう。手続きの流れや必要書類は金融機関ごとに異なるため、そちらも事前に確認してください。
全額繰り上げ返済の実施後は、通常と同じく抵当権の抹消登記や保険質権の解除も行いましょう。
住宅ローンを返済し終わると解放感からしばらくローンのことを考えたくないという方も多いのではないでしょうか。しかし、抵当権の抹消手続きはできるだけ早めに行う必要があります。
手続きを行わずに放置するとさまざまな不都合が生じます。具体的に生じる不都合は以下の3つです。
抵当権が残ったままだと売却で不利になってしまう可能性があるので注意してください。抵当権は登記事項証明書の乙区に表示されます。登記事項証明書は番地や家屋番号がわかっていれば取得できるため、抵当権がついているか誰でも知ることが可能です。
抵当権がついていると「住宅ローンが未完済の物件かもしれない」と買い手に不安を与えてしまい、売却が難しくなります。完済後に家の売却をスムーズに進めていくためにも、抵当権の抹消は必要不可欠です。
相続においても不都合が生じる可能性があります。抵当権が設定された物件の所有者が亡くなれば、その物件は相続人にわたるでしょう。すると、物件を相続した人が抹消手続きを行うことになります。
とくに相続人が複数いる場合は遺産分割協議が必要となるため、物件の新しい所有者が正式に決まるまで抹消手続きはできない点に注意が必要です。家を売って相続人同士で売却益を分配するという判断になる可能性もあるので、相続する際の手間を省く意味でも完済後の抵当権抹消は大切な手続きとなります。
将来的に新しい融資を受ける可能性があれば、抵当権が設定されたままだと不利になる可能性があるので要注意です。登記には、時期ごとに順位番号が振られており、この順番が第二順位以降になると金融機関の立場が不利になってしまいます。
抵当権がついた物件を担保に新しく融資を申し込む場合、その貸付を行った金融機関は第二順位以降になってしまうので、それを回避するために融資を断られてしまう可能性もあるのです。将来、物件を担保に融資を受ける可能性を想定して、忘れずに抹消手続きを行いましょう。
必要な書類や手続きの流れがわかっていれば、自分で抵当権の抹消登記が行えます。ここで、手続きの流れや抹消登記にかかる費用を見ていきましょう。
抹消登記は対象の不動産を管轄する法務局で手続きを行うことになります。一連の流れは以下のとおりです。
詳しく見ていきましょう。
住宅ローンを払い終えると、金融機関から書類が複数枚送付されます。以下3つの書類があることを確認してください。
書類が揃っていることが確認できたら、各書類の必要事項を記入してください。書類の紛失や書き間違い、有効期限切れとなった場合は再発行をしましょう。
抵当権の抹消登記では、上記の書類に加えて登記事項証明書が必要です。登記事項証明書には不動産に関するあらゆる情報が記録されており、法務局で取得申請ができます。申請の際には、土地の番地や建物の家屋番号が必要です。
番地や家屋番号が不明なときは、法務局に住所を伝えることで番地や家屋番号を調べてもらえます。
必要な書類を揃えたら、抵当権抹消登記申請書を作成します。この申請書は法務局で受け取れるほか、法務局のホームページからダウンロード・印刷が可能です。抵当権抹消登記申請書の作成が済んだら、不動産を管轄する法務局で抹消登記の手続きを行いましょう。法務局の窓口に直接向かう方法以外に、郵送で申請することも可能です。
当日は印鑑が必要になるので忘れずに持参しましょう。印鑑の種類は認印でも問題ありません。登記上の住所・氏名が現在と異なる場合、抹消登記の前に登記の変更を行ってください。住所を変更する際は住民票か戸籍附票、氏名が変更されている場合は戸籍が必要です。
登記申請書の提出後、登録完了日以降に法務局に出向いて書類を受け取ってください。通常1〜10日程度で手続きは完了します。書類に不備があった場合は連絡が来るので、申請時に使った印鑑を持参して法務局に足を運びましょう。
法務局から受け取る書類は、申請者以外も受け取れます。本人以外が受け取る際は、申請時に使った印鑑・受取人の本人確認書類・委任状を持参してください。
抵当権の抹消登記では、登録免許税や登記事項証明書の発行、雑費といった費用が発生します。
費目 | 費用相場 | 備考 |
登録免許税 | 土地・建物一つにつき1,000円 | 土地と建物のそれぞれに抵当権がつくため、通常は2,000円かかる |
登記事項証明書 | 窓口で申請・交付する場合は600円 | オンライン申請の場合、受け取り方によって手数料が変わる
郵送受取:500円 窓口受取:480円 |
雑費 | 約1,000~2,000円 | 法務局までの交通費・郵送代・登記簿謄本の確認費用など |
抹消登記を司法書士に依頼する場合、別途で報酬が発生します。司法書士によって報酬額は異なりますが、相場は5,000〜20,000円が目安です。
火災保険などの保険質権も抵当権と同様に必要書類を提出することで、自ら手続きが行えます。質権を解除する流れと必要書類は以下のとおりです。
住宅ローンを完済すると、保険証券と質権消滅承認請求書が届きます。その書類の必要事項を記入し、契約している保険会社に送付すれば解除手続きの完了です。保険会社から保険証券が返送されると、質権の解除は完了です。その後は災害などでマイホームが破損し保険金がおりる場合、契約者が受け取れるようになります。
抵当権の抹消登記と比べて、複雑な手続きはありません。しかし、提出書類に不備があれば修正が必要となるので注意してください。
保険質権の解除手続きに必要な書類は以下の2点です。
いずれも完済後に金融機関から送付される書類です。実際に送付される書類は保険会社ごとに異なる可能性があるので、届いたら送付物をよく確認してください。また、各書類はなくさないようにしっかり保管しておきましょう。
一括返済には大きなメリットがあります。しかし、注意点もあるので、その点も理解した上で検討しましょう。ここで、一括返済をするメリットと注意点をご紹介します。
一括返済により住宅ローンの残高を完済すれば、その分返済期間が短くなります。返済期間が長くなるほど利息が増えるため、返済期間が短くなることにより返済総額を減らせることが大きなメリットです。
また、戻り保証料を受け取れる場合があります。戻り保証料とは住宅ローンを組んだ際に一定の保証料を前払いしている場合、一括返済により一部の保証料が返金されることです。一括返済の時期が早いほど返金される金額は大きくなる特徴があります。
ただし、事務手数料型や保証料を利息組込型で支払う場合は戻し保証料は発生しないので注意してください。
一括返済では、ローン残高以外に手数料や未払いの利息分も含まれます。そのため、想像よりも返済額が大きくなってしまう可能性があるので注意しましょう。手数料に関しては住宅ローンごとに異なるため、事前に確認してください。
一括返済を行うと、手元にある資金が一気になくなってしまう点にも要注意です。急病や大きな買い物など急な出費が必要になったとき、資金がなくなることで貯金を切り崩さなければならない場合もあります。返済後の生活も考慮して、実行するようにしましょう。
また、一括返済で完済すると住宅ローン控除が利用できなくなります。入居後、10年間または13年間は、住宅ローン控除により所得税の負担を軽減することが可能です。期間中はローンの年末残高に応じて、1%(2021年までに住宅を取得・入居)または0.7%(2022年以降に住宅を取得・入居)減税されます。
一括返済により年末時点の残高が0円になってしまえば、住宅ローン控除の恩恵を受けられなくなってしまうのです。控除の恩恵を受けたい場合は、一括返済は年末以降に実施することをおすすめします。
住宅ローンを完済すれば、経済的に余裕が生まれます。今まで返済にあてていたお金は、別の用途で使えるようになるので、今から完済後の使い道を考えておくといいでしょう。完済後の使い道の例には、以下の用途があげられます。
住宅ローンを早期完済できれば、自分の子どもや孫の教育資金にあてられるお金を増やすことが可能です。とくに高校と大学では多額な教育費がかかり、子どもの人数が多いほど家計への負担は大きくなります。
早いうちから教育資金を確保できれば、安心して高校や大学に進学させることも可能です。教育費に余裕があれば、学習塾や習い事も無理なく続けられるでしょう。
マイホームの修繕費用にあてるのもおすすめです。新築から10年以上経過すれば、建物のいたる部分で劣化や不具合が出始めてきます。家を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスや故障時に修理が必要となるので、そのための資金があれば将来も安心です。
また、ライフステージの変化によりリフォームが必要になることもあるでしょう。あらかじめ資金を蓄えておけば、部屋の増築や間取りの変更、バリアフリー化などの大掛かりなリフォームを実現でき、今後の暮らしに適した住まいに変えられます。
現代は長寿命化しており、仕事を引退した後も長い人生が待っており、お金の心配は尽きません。将来年金がもらえなくなるともいわれているため、老後の資金はあればあるほど生活が楽になります。住宅ローンが完済した後は、その分を貯金に回すことで老後の資金を確保することが可能です。
可能であれば、返済分の資金を資産運用に回すのもいいでしょう。資産運用でお金を増やしていけば、老後もお金の心配をせずに豊かな生活を送れます。
返済にあてていた資金を、完済後は自分の趣味にあてるのもいいでしょう。今まで住宅ローンの返済を優先してきて自分の趣味に資金をあてる余裕がなかった人にすれば、大きなご褒美になるはずです。
また、家族のために使うのもおすすめです。たとえば旅行資金として貯蓄をすれば、年に1回から数回、豪華な家族旅行を計画でき、大切な思い出を増やせます。定期的に豪華な食事を楽しむための資金に使うのもいいでしょう。
住宅ローンが完済するタイミングには、「住宅ローン控除の期間が終了したとき」「子どもが独立して、教育費がかからなくなったとき」「退職金や相続により余裕資金ができたとき」などがあげられます。
しかし、事前にどのような間取りやデザインにするのかイメージし、予算を決めないと月々の返済計画や繰り上げ返済の予定を組めません。そのため、まずは住宅展示場への見学や見積もりのシミュレーションにより、家族全員で理想の家をイメージしておくことが大切です。
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