間取りの工夫例7選+収納アイデア7選!間取りの決め方のポイントも
マイホームを新築するとき、...
システムキッチンは、対面型と壁付け型の2種類に大別されます。家族とコミュニケーションがとりやすい対面キッチンは、注文住宅でも定番のキッチンスタイルです。一口に対面キッチンといってもさまざまな種類があるので、特徴や設計する上での注意点を知ることにより家づくりの際の失敗を防げます。
そこで今回は、対面キッチンの種類からメリット・デメリットを解説します。対面キッチンを採用する際に気をつけたいポイントもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
対面キッチンは、キッチンカウンターがリビングやダイニングと対面する形で配置されるスタイルです。非対面式のキッチンは壁や窓を見ながら調理をすることになります。調理や片づけに集中できる一方で、孤独感があり、家族の様子を確認できないことがデメリットです。
一方、対面キッチンはキッチンカウンターからリビング・ダイニングを見られます。そのため、家族を身近に感じながら調理でき、家族にも目を配れる点が大きな特徴です。
そんな対面キッチンは、オープンキッチンとセミオープンキッチンの2タイプに大きく分けられます。オープンキッチンは造作壁を設けないスタイルなので、リビング・ダイニングとより一体感があり、開放的な空間にすることが可能です。
反対にセミオープンは、造作壁や吊り棚などでキッチンの一部を仕切ったスタイルになります。オープンキッチンよりも開放感は少し薄れてしまいますが、リビング・ダイニングから見られたくない部分を隠せたり、匂いや煙が流れ込みにくくなったりすることがメリットです。
対面キッチンには、さまざまな種類が存在します。
我が家に合ったキッチンを選ぶためにも、ここで主なタイプと特徴を確認しましょう。
アイランドキッチンは、キッチンが壁から離れて小島のように独立したレイアウトが特徴です。フルオープンになっているので、対面キッチンの中でもとくに開放感があり、複数人で調理をしやすいキッチンになります。
家事動線に優れている反面、油や水が飛び散りやすく、キッチン周りが汚れやすいことがデメリットです。くわえて、キッチンがリビングやダイニングから丸見えであることから、整理整頓の徹底も必要になります。他にも設置に広いスペースの確保も必要です。
アイランドが英語で島を意味するのに対して、ペニンシュラは半島を意味する言葉です。そして、キッチンの左右どちらかの片側が壁とつながっているタイプを「ペニンシュラキッチン」といいます。
ペニンシュラキッチンは片側が壁に接するレイアウトです。そのため、アイランド型に比べて省スペースで設置できます。動きがやや制限されてしまう点がデメリットですが、スペースに少し余裕がなくても開放的なキッチンにしたいときに向いています。
コンロを壁側にすれば、換気扇の配管工事がしやすくなり、工事費用の削減にもつなげることが可能です。
カウンターキッチンは、キッチンとダイニングスペースの間にカウンターが設置された対面キッチンの一種です。カウンターに出来上がった料理や洗い物の食器などを置けます。そのため、いちいちキッチンとダイニングを行き来する必要がなく、配膳や片づけがしやすくなるのがメリットです。
キッチンとダイニングスペースを仕切る形でカウンターを設置するので、その分のスペースが必要となる点がデメリットでしょう。
シンク・調理台・コンロが横向きで一直線に並んでいるキッチンをI型キッチンと呼びます。アイランド風やペニンシュラ風に対応でき、対面キッチンの中でも定番のレイアウトです。
I型の対面キッチンでは、キッチンの正面に腰壁や造作壁を設けて手元やリビング・ダイニングから見られたくない部分を隠すセミオープンにするケースが多くみられます。
名前のとおり、L字型の形状が特徴的なキッチンです。I型よりも作業スペースを広くとれます。
また、シンクとコンロ動線が短いので、行き来がしやすいのも特徴です。レイアウト次第では、フルオープンからセミオープンのどちらにも対応できます。
デメリットは、キッチンの設置に広いスペースが必要になることです。またコーナー部分の収納は奥行きが深くなりやすく、使いづらい特徴もあるので、収納計画をしっかり立てることが重要となります。
コの字(U字)にレイアウトされたキッチンです。シンク・作業台・コンロを自由にレイアウトでき、家事動線がスムーズという特徴があります。作業台を広く設けられるので、電子レンジ・オーブンレンジや炊飯器など、キッチン周りの家電の収納も可能です。
L字同様に設置には広いスペースが必要であり、コーナー部分の収納が使いにくい点に注意してください。
コンロとシンクを2つに分けて設置するタイプのキッチンで、Ⅱ型キッチンとも呼ばれています。コンロとシンクの台が分かれているので、配置次第では家事動線が大幅に短くなり、体の向きを変えるだけで作業の切り替えも可能です。作業効率の高いキッチンにしたい人に向いています。
セパレート型キッチンでは作業スペースを広くとれる他、収納力を大きくできることもメリットです。背面の台は壁付けにして、対面側の台はアイランド風にするなどレイアウトの自由度が高いことも魅力になります。
ただし、設置に広いスペースが必要で、振り返りの動作や移動が面倒に感じやすい点がデメリットです。
対面キッチンを採用することで、主に5つのメリットがあります。
具体的にどのようなメリットがあるのか詳しく解説していきましょう。
対面キッチンの大きな魅力は、開放的な空間にできることです。対面キッチンの場合、リビング・ダイニングとつながりをもたせられます。視界を遮る物もないので、開放感あふれるキッチンにできるのです。
キッチンは置く物や収納する物が多く、狭く感じることがあります。壁で視界を遮ってしまうと、より窮屈な空間に感じてしまうでしょう。しかし、開放感をもたせられる対面キッチンなら圧迫感が軽減されます。
調理中もリビング・ダイニングに目を配れることも対面キッチンのメリットです。非対面式のキッチンでは、料理中はリビング・ダイニングで過ごす家族の様子は見えません。しかし、対面式であれば、家族が何をしているのか料理中でも確認ができます。
とくに小さな子どもがいる家庭の場合、少し目を離した隙にいたずらをされたり、事故が起きていたりする可能性も考えられるでしょう。キッチンからリビング・ダイニングが見えないと、不安で家事にも集中できなくなってしまいます。目配りがしやすい対面キッチンなら子どもの様子を確認しながら、家事をこなすことが可能です。
他にもリビングに設置されたテレビや窓の景色を眺めながら家事ができるメリットもあります。
対面キッチンは家族とコミュニケーションがとりやすいのも大きな魅力です。キッチンとリビングやダイニングのどちらからでも人の姿を確認できるので、家事をしながら家族同士で会話もできます。キッチンで作業をしている人も孤独感から解放されるでしょう。
キッチンがリビングから分離していないので、家族に積極的な家事への参加を促す効果も期待できます。子どもにお手伝いをしてもらったり、家族と一緒に調理を楽しむ時間を増やせたりする可能性があるでしょう。
リビングやダイニングに向けてキッチンが設置されるので、壁付けのキッチンと比べて配膳や片づけがしやすいのもメリットです。たとえばカウンターの横にダイニングテーブルを設置すれば、テーブルに料理を運ぶのも、食器を流し台に持っていくのも手間をかけずに行えます。
カウンターキッチンとダイニングが一体化しているタイプなら、カウンターを食事スペースとして活用することが可能です。家事動線を短くできると同時に、ダイニングスペースを省スペース化し、その分キッチンやリビングにゆとりをもたせられます。
対面キッチンでは、背面を壁面収納として活用することが可能です。大きな収納スペースを確保できるので、食器や日用品のストック、保存食、調理器などの収納にも困らないでしょう。
壁面収納のスタイルもさまざまです。扉がついた収納棚なら物を隠して収納できるので、生活感を隠したい人に向いています。
扉をつけない場合は物の出し入れがしやすく、見せる収納でおしゃれな雰囲気にすることが可能です。インテリアや使い勝手のよさ、整理整頓・掃除のしやすさなどに考慮しながら我が家のキッチンに合った壁面収納を考えてみてください。
メリットの多い対面キッチンですが、反対にデメリットがあることも理解しておく必要があります。ここで対面キッチンの3つのデメリットとその対策方法を見ていきましょう。
対面キッチンはリビング・ダイニングと壁で仕切られていないため、居室から丸見えになってしまいます。普段は家族だけしかいないので、リビング側からキッチン内が丸見えであることは気にならないでしょう。しかし、来客があった際にキッチン内が丸見えになってしまうことが気になってしまう可能性があります。
キッチンは生活感があらわれやすい空間なので、対面キッチンではとくに整理整頓が重要となってきます。他にもコンロ側に壁やキッチンの正面に腰壁を設けてキッチンを見えにくくする工夫を施すのもよいでしょう。
対面キッチンでは通路を確保しなければならないため、壁付けキッチンと比べて設置に必要な面積が大きくなります。キッチンのタイプによっても必要となってくる広さは異なるので注意してください。
スペースにあまりゆとりを持てないときは、キッチンの片側を壁につなげるペニンシュラキッチンがおすすめです。また、シンクやコンロが一列に並ぶI型キッチンやL字にレイアウトするL型にすると、通路を確保しやすくなります。
対面キッチンは壁で部屋を区切っていないため、調理の際の匂いや音がリビングに流れ込みやすくなります。また、油や水の飛び跳ねでキッチン周辺の床や物が汚れてしまうケースも少なくありません。
匂いや音を軽減したいときは、キッチンの一部に造作壁を設けたり、透明のガラス戸で仕切ったりするとよいでしょう。油や水はねの防止には、カウンターや腰壁の設置も有効です。
キッチンのプランニングでは、レイアウトや設備、素材など考えることが多くあります。
対面キッチンを検討する際には、気をつけたいポイントは3つです。後悔しないためにも、対面キッチンを検討する際のポイントをそれぞれ見ていきましょう。
通路幅は、キッチンの使いやすさ・快適性に大きく影響するので、十分な広さを確保しましょう。広さが足りないと動きづらくなってしまいます。とくに複数人でキッチンに入ったとき、お互いが邪魔にならずスムーズに移動できる広さが必要です。
成人女性1人がキッチンで作業する場合、必要とされる通路幅の目安は80〜90cmとされています。複数人で同時に作業する際は、100~125cmは必要です。家族構成や移動のしやすさだけではなく、冷蔵庫や収納扉の開きやすさにも考慮して通路幅を決めましょう。
キッチンは、シンク・コンロ・冷蔵庫を軸に家事動線を確保しなくてはいけません。その動線を意識して、キッチンの寸法やレイアウトを考えていきましょう。シンク・コンロ・冷蔵庫の距離感の目安は以下のとおりです。
キッチンは、シンク・コンロ・冷蔵庫の3点を線で結んでできた三角形の3辺の合計を3.6〜6.6mに抑えた距離が使いやすいといわれています。
また、キッチンの設置環境によっては規格寸法が合わず、間口に隙間ができてしまうこともあるので注意してください。寸法が合わない場合は、ワークトップ(天板)を間口に合わせて特注するといった工夫が求められます。
対面キッチンは、壁付けと比べて収納が少なくなってしまいます。そのため、どう収納スペースを確保するのかをよく考えておくことが大切です。キッチンの収納方法には、吊り戸棚やカウンター下、壁面があります。
対面キッチンでは、吊り戸棚を設けて収納スペースを増やすケースがあります。収納スペースが確保できる分、上部が棚に隠れるので開放感は薄れてしまうでしょう。
開放感やデザイン面に考慮せずに設置してしまうと、後悔してしまう可能性があります。何を優先したいのか考えた上で、吊り戸棚の必要性を検討していきましょう。吊り戸棚を設置すると決めた際は、扉を開けた際に頭がぶつからない高さでの設置を考えることも大切です。
吊り戸棚をつくりたくない場合は、カウンター下や壁面を活用して収納スペースを確保するのがおすすめです。カウンター下にスペースがあれば、カップボードやストックの保管などに活用できます。
また、対面キッチンの背面にカウンターや壁面ラックを設ければ、大容量の収納スペースを確保することが可能です。調理家電や食器などをまとめて収納したいときに適しています。
対面キッチンのある住まいをつくりたいけど、アイデアがなかなか思いつかないという方もいるでしょう。そんなときは、住宅展示場でモデルハウスの見学がおすすめです。モデルハウスを見ることで、家づくりのヒントを得られる可能性があります。
バーチャル住宅展示場の「LIVRA WORLD」では、いつでも自宅からモデルハウスの見学が可能です。リアルの住宅展示場に行く時間がとれない人も、バーチャル住宅展示場なら気軽にモデルハウスの見学ができます。
「LIVRA WORLD」では、さまざまな住宅メーカー・工務店のモデルハウスを見ることが可能です。見学だけではなく、モデルハウスのカスタマイズや予算のシミュレーションもできます。気になるメーカーへの相談・来店、イベント参加の予約までできるので、家づくりのサポートにご活用ください。
今回は注文住宅でも人気がある対面キッチンについてご紹介しました。対面キッチンにはさまざまな種類があるので、その特徴を理解した上で、どのようなキッチンにしたいのか検討することが大切です。
対面キッチンの導入で失敗しないためには、明確なイメージを持つことも重要となります。設計士にイメージや希望をしっかり伝え、デメリットをカバーできる工夫を考えてもらうことで、理想的なキッチンを実現できるでしょう。対面キッチンのイメージづくりに迷ったときは、バーチャル住宅展示場の「LIVRA WORLD」を活用してみてください。