間取りの工夫例7選+収納アイデア7選!間取りの決め方のポイントも
マイホームを新築するとき、...
新築一戸建てを建てる際は、土地選びが重要です。土地は、正方形または長方形で整っている整形地と、形が整っていない不整形地に大きく分類できます。
そこで今回は、不整形地の中から「旗竿地(はたざおち)」をピックアップし、特徴や家を建てるメリット・デメリット、購入前に確認すべきポイントなどを解説します。さらに、旗竿地での家づくりで後悔しないポイントも解説しますので、どのような特徴を持つ土地か知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
旗竿地とは、道路に接する部分は狭く、その奥に敷地が広がっている土地です。上から見ると竿付きの旗に似ていることからそう呼ばれています。
旗竿地でも家は建てられますが、建築基準法の「接道義務」を満たさなければいけません。接道義務とは、敷地と道路に関する規定です。緊急車両の通行や、火事、災害時の避難経路を確保するために設けられています。
建築基準法では、敷地の幅が2m以上道路(幅4m以上)に接していないと、敷地内に建物が建てられないと定められています。そのため、奥に幅2m以上の土地が広がっていたとしても、道路に接する間口が2m以上でなければ家は建てられないので注意してください。
旗竿地を購入して自宅を建築すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?一般的な整形地で建てる場合と比較しつつ解説します。
不整形地は、整形地と比較して坪単価の相場が安くなりやすいです。たとえば、同じエリアに長方形で50坪の土地と、旗部分が50坪で竿部分が5坪の旗竿地があったとします。旗竿地は5坪分広くなりますが、家を建てる敷地だけで見るとどちらも50坪です。そのため、売り出し価格が同額になるケースもあります。
地域によっては、さらに坪単価が安くなる可能性もあるでしょう。お得に土地を購入したい場合は、旗竿地も候補の1つに選んでみてください。
道路まで距離がある旗竿地は、車の走行音や通行人の声が気になりにくいというメリットもあります。人通りの多い道路だと、通行人の視線が気になることもありますが、旗竿地であれば気になりません。そのため、プライバシーが保たれた環境で、静かに生活したい方に適しています。
また、子どもやペットがいる場合でも、玄関近くに道路がないことで、急な飛び出しのリスクも軽減します。
旗竿地は、旗部分の土地が隣家で囲まれているケースもあります。そのため、周りを塀で囲わなくてもよい場合や、一部のみで対応できる場合もあるでしょう。
また、外構を設ける場合でも、そもそも道路から見えにくいため、こだわりがなければシンプルなデザイン・素材の外構を選んでも問題ありません。そのため、外構費用をできるだけ抑えたい方にもおすすめです。
自宅を建築する際に、駐車場を設ける場合もあります。一般的な整形地だと駐車場を確保した上で、残りの敷地に家を建てなくてはなりません。しかし、旗竿地であれば通路部分の土地を駐車場にすれば、奥の敷地を丸ごと自宅の間取りにできます。
家の大きさは建ぺい率・容積率で上限が設定されていますが、旗竿地の場合は、路地の面積も含めれば、奥の敷地が少し狭かったとしても大きめの家を建築することが可能です。とくに、家の高さ・方位の制限が厳しくない地域の場合、3階建てを建築できる可能性もあります。
そのため、できるだけ大きめの家を建てたい方にもおすすめといえるでしょう。ただし、消防上・建築基準法上の理由から3階建てが難しいケースもあるため、必ず不動産会社に相談してください。
旗竿地は整形地と比較してさまざまなメリットがありますが、デメリットもあるので注意が必要です。ここからは、そのデメリットについて紹介します。
道路に面している整形地の場合、日光があたる部分も大きいため、日当たりの良さを実感できることが多いです。一方、旗竿地は周囲を住宅などで囲まれていることから、日光が当たりにくく、昼間でも薄暗く感じてしまうかもしれません。
また、住宅などに囲まれていることから、風通しの悪さも懸念されます。日当たりや風通しが悪いと湿気が逃げにくくなり、カビやコケが発生する原因となってしまうので、事前の対策が必要です。
路地部分の幅が狭い場合、建築時に工事車両の乗り入れが困難になります。結果的に通常よりも建築費用が割高になったり、工期が長くなったりする場合も考えられるでしょう。
また、インフラ設備を新たに設置する場合もコストがかかりやすいので、注意が必要です。たとえば、水道管を奥の敷地まで引き込む場合、整形地よりも引き込む距離が長くなるため、工事にかかる時間やコストがかかってしまいます。
竿部分を駐車場にする場合、幅が狭いと大型車やワンボックスカーなどは停められず、車種が限定されることもあるでしょう。幅は2mが下限となるため、軽自動車であればギリギリ出入りすることも可能ですが、塀を設置するとなると幅はさらに狭まります。
もし、駐車場を設置するのであれば、車両のサイズと乗り降りがしやすい車幅を知っておきましょう。国土交通省の「駐車場設計・施工指針について」によると、車種別駐車スペースに必要な寸法は以下のとおりです。
設計対象車両 | 長さ(m) | 幅員(m) |
軽自動車 | 3.6 | 2.0 |
小型自動車 | 5.0 | 2.3 |
普通乗用車 | 6.0 | 2.5 |
小型自動車は主にコンパクトカーやミニバン、小型ワゴンなど5ナンバーに分類される車種で、普通乗用車はセダンやワゴン、SUV、バンなどの3ナンバー車が該当します。車種によってはこれ以上の寸法が必要になるケースもありますが、目安として覚えておきましょう。
旗竿地の中には隣家との距離が近い土地もあり、生活音に配慮しないとご近所トラブルを招く恐れがあります。隣家からの生活音が聞こえないように対策を講じるのはもちろん、自宅の生活音が外に漏れないよう、防音・遮音対策を行うことが大切です。
実際に旗竿地を購入する前に、以下のチェックポイントを確認しておきましょう。
それぞれ解説します。
旗竿地にマイホームを建てる場合、まずは建築基準法に則り道路に接する土地の幅が2m以上あるか確認が必要です。さらに、道路から奥の敷地まで20m以上の距離がある場合、安全性や防火上の観点から幅が3m以上ないと建築不可となる場合もあります。
建築基準はクリアできたとしても、路地の幅と長さによっては生活上不便に感じられるケースもあるかもしれません。そのため、旗竿地を購入する際は、実際に生活している様子を具体的にイメージし、毎日暮らしても不便に感じないかチェックしておきましょう。
古い土地であれば、電線や水道管が近くを通っている可能性もありますが、新しくできた旗竿地だと、新たにインフラ設備を引き込まなくてはなりません。電柱や水道管の位置によっては、電柱を建てたり地中に通す工事をしたりする必要があり、その分工事費も高くなってしまいます。
インフラの引き込み状況は土地を見ても分からず、広告などにも記載されていないケースがあるため、購入する前に必ず不動産会社に引き込み状況を尋ねてください。
自宅を建築する際に、クレーン車などの重機が用いられる場合もあります。家付きで販売されている場合でも、解体作業には重機やトラックなどが活用されるでしょう。しかし、旗竿地だと、重機を道路に停めても作業しづらく、敷地内まで入らなくてはなりません。
重機を使わなくても家は建てられますが、その分工期が長くなり、人件費もかかるのでコストが高くなってしまいます。重機が入るかどうか、入らない場合どれくらいの工事費用がかかるかなど、あらかじめ確認しておくと安心です。
旗竿地には、前述したデメリットから、一般的な整形地と比べると需要が低く、売れにくい場合もあります。
もし、将来的に売却することを視野に入れているのであれば、土地や建物にデメリットを上回るような価値がないと売却は難しいです。たとえば、都市部で最寄り駅から徒歩5分圏内の駅近だったり、周辺の土地と比べて建ぺい率・容積率の条件が良かったりするなど、売却のしやすさにつながる価値が備わっているかも確認しておきましょう。
旗竿地での家づくりで後悔しないための注意点として、以下の4つが挙げられます。
具体的にどのような点について考えるべきか、詳しく紹介していきます。
旗竿地は、特殊な形状の土地になるため、旗竿地での施工実績が少ない建築業者やハウスメーカーに相談した場合、工期が長引いたり予算をオーバーしたりする可能性も考えられます。また、旗竿地ならではの特性をうまく活用できず、最終的に納得のいかない住宅が完成してしまう恐れもあるでしょう。
しかし、旗竿地で建築した実績が豊富な建築業者やハウスメーカーなら、安心して施工を任せられます。また、プラン作成の段階で旗竿地の特性を活かしたプランを提案してくれる可能性も高いため、実績は必ず確認することが大切です。
旗竿地は、日当たりや風通しが悪くなりやすいため、採光性・通風性について考慮しておかなければなりません。とくに、家族が集まり団らんの場となるリビングは、2階に設けた方が日当たり・風通しも良くなります。ただし、高齢になったときにリビングが2階にあると、移動が億劫に感じてしまうかもしれません。
1階にリビングを配置したい場合は、大きめの吹き抜けを作ることで1階にも日差しが入るようになります。また、窓を多めに設置することで、風通しの良さも確保できるでしょう。他にも、インナーテラスを作り、L字型・コの字型の建物にすることで、日光や風が取り込みやすくなる場合もあります。
旗竿地は、隣地との距離が近いケースもあることから、遮音性にも配慮し防音対策を行うことも重要となります。
まず、室内の音が外に漏れにくくするためには、壁や間仕切りに音による振動が伝わりにくい、遮音性の高い素材を採り入れるのがおすすめです。
遮音性の高い素材は、主に鉄板やコンクリートなどが挙げられます。木造の場合は、内部にグラスウールを詰めて空洞をなくし、合板の上に石膏ボード2枚を貼り付けるなどの方法で、防音性能を高めることも可能です。
さらに、二重ガラスの窓や厚手のカーテンなど、吸音性の高い素材を採り入れることでも遮音性を高められます。
また、道路から少し奥まった敷地にあることから、防犯対策も講じておきましょう。たとえば、防犯カメラや人感センサー付きのライトを設置したり、窓を強度の高い防犯ガラスにしたりするなどです。
旗竿地ではなくても、家を建てる際にはご近所への配慮は必要です。工事が始まればどうしても騒音は発生してしまいますし、近くには工事車両も出入りしたり工事中のにおいや粉塵で迷惑がかかったりする可能性もあります。
とくに、旗竿地は他の土地に比べて隣地との距離が近いケースもあるため、よりご近所への配慮は欠かさないようにしましょう。工事が始まる前に何度か挨拶に伺い、工事への理解を求めるようにしておくと安心です。
旗竿地での家づくりは、法律や条例、敷地面積、路地の幅、インフラの引き込み状況、ご近所への配慮など、考えるべきことが多くあります。また、旗竿地は一般的な整形地と異なるため、具体的に間取りなどをイメージしにくい部分もあるでしょう。
そんなときは、バーチャル住宅展示場の「LIVRA WORLD」の活用がおすすめです。LIVRA WORLDは、自宅に居ながらバーチャル空間でモデルハウスをカスタマイズし、理想の家づくりをシミュレーションできます。スマホ・タブレットから気軽にアクセスできるため、ぜひLIVRA WORLDの住宅展示場まで足を運んでみてください。
今回は、旗竿地の特徴やメリット・デメリット、家づくりで考慮すべきポイントなどをご紹介しました。旗竿地は一見デメリットが多いように感じられるかもしれませんが、相場より価格が安い、道路からの騒音が気になりにくいなどのメリットもあります。
しかし、実際に旗竿地で家づくりを行う際には、さまざまな部分で考慮すべきポイントもあります。そのため、今回ご紹介した考慮すべきポイントなどを参考にすることで、後悔しない理想の家づくりが目指せるでしょう。旗竿地での暮らしが、自分自身や家族にとって適しているかどうか、しっかりとシミュレーションをしてから購入を検討してみてください。