戸建住宅にベランダは必要?検討のポイントや活用方法を紹介

家づくり
戸建住宅にベランダは必要?検討のポイントや活用方法を紹介

ベランダは洗濯物を干したり、ちょっとしたくつろぎスペースとして使ったりできるため、あると便利でしょう。

しかし、設置しなかったことで得られるメリットもあるので、新築戸建住宅を建てる際はベランダを付けるかどうか慎重に検討する必要があります。

今回は戸建住宅にベランダは必要なのか、検討のポイントや活用方法についてご紹介するので、家づくりの参考にしてください。

目次

戸建住宅のベランダとバルコニーの違いとは?

住宅の室外スペースにはベランダとバルコニーがあり、違いがわからず混同している人も少なくありません。まずは、ベランダとバルコニーとの違いを理解しておきましょう。

ベランダは屋根がある室外の専用スペース

ベランダとは、屋根が設置された室外スペースを指します。形状や広さにもよりますが、屋根が設置されていることで雨が入りにくく、雨天時も洗濯物を干せることがメリットです。屋根は専用のものを取り付ける場合もあれば、上の階のベランダ部分が屋根の代わりになる場合もあります。また、日本のアパートやマンションではベランダが主流です。

バルコニーは屋根がない解放感のある室外空間

バルコニーは、屋根のない室外空間を指し、集合住宅よりも一戸建てでよく見られます。屋根がない分、ベランダと比べて解放感のある空間になっていることが特徴です。

また、面積もベランダと比べて広くなっており、さまざまな用途で使用できます。

ただし、屋根がないので、雨の日に洗濯物を干すなどの用途に活用できない点がデメリットといえるでしょう。

ルーフバルコニーは屋上に設置するスペース

ルーフバルコニーとは、下の階の屋根を活用して設置される室外スペースです。一般的なバルコニーと同じく屋根がなく、解放感のある空間となっています。戸建住宅では、屋上として使われることも多いです。ベランダやバルコニーと比べて、より広々としたスペースを確保できることがルーフバルコニーの魅力といえます。テーブルやイスを設置したり、日当たりのよさを活かしてガーデニングや家庭菜園を楽しんだりするなど、さまざまな用途に使用できるでしょう。

戸建住宅にベランダ・バルコニー設置を検討する上で重要な8つのポイント

マイホームにベランダやバルコニーを設置したいと思った場合、どのようなことを意識して検討すればいいのでしょうか。ここでは、ベランダ・バルコニーの設置を検討する際に、押さえておくべきポイントを8つご紹介します。

どのような用途で使うのか明確に決めておく

戸建住宅にベランダやバルコニーを設置する際は、まずどのような用途で使うのか決めておきましょう。用途を決めずにつくってしまうとうまく活用できず、ほとんど使わないスペースになる可能性があります。洗濯物を干す場所にする、家族での憩いの場として使う、ガーデニングができるスペースにしたいなど、明確な目的があれば用途に応じた広さやデザインをスムーズに決めることが可能です。

ベランダ・バルコニーに関する要望があれば、設計士にしっかり伝えましょう。

家の設計やベランダまでの動線も考える

ベランダやバルコニーは、住まい全体で考えることが大切です。家の設計やベランダまでの動線にも考慮してプランニングしていきましょう。

たとえば、洗濯物を干すスペースとして使いたい場合、洗濯機からベランダまでの動線が重要です。洗濯機からの動線が長く、複雑になると、移動が面倒くさいと感じ、次第に使わなくなってしまう可能性があります。室内空間とのつながりや動線などを考慮して、使い勝手のよいベランダ・バルコニーを考えていきましょう。

また、ベランダやバルコニーは外観デザインに影響を与えるので、外からの見え方も意識して、窓の位置や形状なども検討する必要があります。

用途に合った屋根のデザインも検討する

ベランダにするか、それともバルコニーにするかによって、住宅の屋根のデザインは変わってきます。ベランダであれば、屋根部分は住宅の屋根の軒を活用するか、別に専用の屋根を取り付けるかまで考えなければなりません。バルコニーは屋根のない解放的な空間を指すため、そのように屋根をデザインする必要があります。

また、下の階の屋根も兼ねているルーフバルコニーにしたい場合は、それを実現できるように下の階の設計も考えましょう。

風通しや採光にも気を配る

風通しや採光を考慮せずにベランダやバルコニーをつくってしまうと、室内に光や風が入らず、湿気がこもる原因につながります。

たとえば、横格子や縦格子、スリットのある手すりをつけるか、小窓を設置することでベランダやバルコニーの通風性を高められるのです。

また、光が通りやすい手すり面材や、透明または半透明の屋根を採用することで、採光を確保できます。下の階の採光や通風を確保したいときは、スリットのある床材を選ぶこともおすすめです。

リビングを2階にする場合は一体スペースの検討もおすすめ

リビングを2階に設置する場合は、空間を一体化させたベランダ・バルコニーも向いています。ベランダ・バルコニーをリビングと一体化させ、奥行きの広いリビング空間の設計も可能です。

また、リビングの延長線としてベランダ・バルコニーを利用できるため、使い勝手を高められるメリットにもつながります。ベランダ・バルコニーをリビングの一部にしたいときは、室内とのつながりを意識しながら床との段差や窓の大きさ・形状などの検討も必要です。

用途やスペースに合ったアイテムも考えておく

ベランダ・バルコニーの用途やスペースに応じて、設置したいアイテムも考えておきましょう。洗濯物を干すスペースとして使うのであれば、物干しが必要です。収納できるタイプであれば、使わないときは折り畳んで保管できるため、空間を別の用途に有効活用できます。くつろぎスペースとして使いたいときは、広さに合わせてテーブルやチェアを設置するといいでしょう。

他にもスペースに余裕があるときは、スロップシンクの設置もおすすめです。スロップシンクがあれば、汚れた運動靴、掃除用具、園芸道具など洗面台やキッチンのシンクでは洗うのを躊躇ってしまうものも気軽に洗えるようになります。

防犯やプライバシーを配慮する

敷地条件や周辺の環境によっては、防犯やプライバシーへの配慮も欠かせません。ベランダ・バルコニーが侵入者の隠れ場となってしまう可能性があるので、気配を察知できる手すりや見通しのよいデザインにして、死角をつくらないようにしましょう。

また、足がかりになってしまう柱を設けない、人感センサー付きのライトや防犯カメラの設置といった工夫も必要です。

くわえて、隣家と隣接していたり、大通りに面していたりする場合は、外からの視線を遮るために目隠しフェンスを設置するといいでしょう。

不安や疑問は専門家に相談する

ベランダ・バルコニーを設置したいけど、不安や疑問が多くてプランがうまくまとまらないときは、住宅の専門家に相談してみましょう。専門家に相談する手段はさまざまありますが、自宅にいても相談できるバーチャル住宅展示場である「LIVRA WORLD」の活用がおすすめです。

バーチャル住宅展示場の「LIVRA WORLD」では、自宅にいながら気軽にモデルハウスの見学や注文住宅の相談ができます。ベランダ・バルコニーを含む家づくりのヒントを得られるので、ぜひ活用してみてください。

ベランダ・バルコニーはどう使う?6つの活用方法

ベランダ・バルコニーの使い方は人によってさまざまです。具体的にどのような使い方ができるのか、活用方法を6つご紹介します。

洗濯物や布団を干すスペースにする

定番の活用方法は、洗濯物や布団を干すスペースです。

たとえば、大量の洗濯物がある場合、庭やサンルームで干しきれなかったときはベランダ・バルコニーを干し場として活用できます。土地が狭く、庭やサンルームをつくれないときもベランダ・バルコニーがあれば、外干しのスペース確保が可能です。掛け布団や敷布団、毛布などの寝具類も布団干しや手すりを活用して、いつでも天日干しができます。

庭の代わりのスペースにできる

新築一戸建てを建てるのであれば、庭が欲しいと思う方もいるでしょう。庭はガーデニングや家庭菜園、DIYを楽しむスペース、子ども・ペットの遊び場などさまざまな用途で活用できるので、戸建て住宅では重宝されます。

しかし、主に都市部では広い土地が手に入りにくく、庭をつくれないケースも珍しくありません。狭小地で庭のようなスペースが欲しいときは、ベランダやバルコニーでの代用が可能です。

エアコンの室外機の設置場所にできる

エアコンを設置する場合、室外機を住宅の外に設置しなければなりません。2階にエアコンを設置する際に問題となるのが室外機の置き場です。ベランダやバルコニーがあれば、そこに室外機を設置できるため、スムーズなエアコンの導入ができます。2階の壁に室外機を取り付けると、住宅の見栄えを損ねてしまう可能性もありますが、ベランダ・バルコニーに設置するとその心配はありません。

また、室外機を1階の地面に置く「立ちおろし」の場合、ホースをよじ登って不審者に侵入されるリスクを低減できるというメリットもあります。

日射のコントロールに使える

ベランダやバルコニーは日射をコントロールするのにも便利です。とくに、夏は強い日差しが室内に入り込むと、冷房の効率が下がり、蒸し暑い空間になってしまうことがあります。

しかし、ベランダ・バルコニーを設置すれば、高い位置にある夏の太陽の日射を遮ることができるため冷房効率が下がりにくく、快適な室内環境を保てるでしょう。

また、冬は太陽の位置が低くなるため、ベランダ・バルコニーがあっても日射が完全に遮られることはなく、暖かい日差しを室内に取り込めます。

ガーデニングや家庭菜園として活用する

プランターを使えば、ベランダやバルコニーでもガーデニングや家庭菜園を気軽に楽しめます。棚やラック、すのこを活用して植物や花をレイアウトしていけば、本格的なガーデニングを楽しめるでしょう。狭いベランダでは、壁掛けプランターを活用すると場所をとらずにレイアウトができます。家庭菜園であれば、省スペースで育てられるミニトマトやキュウリ、ピーマン、パセリ、ハーブ類などの野菜がおすすめです。ベランダ・バルコニーでガーデニングや家庭菜園をする際は、近隣に迷惑をかけないように防虫に徹底しましょう。

子どもの遊べるスペースにする

ベランダ・バルコニーは、ウッドデッキや芝生を敷いて子どもの遊び場も確保可能です。

遊び盛りの子どもは、室内の遊びだけでは満足できない場合があります。

しかし、頻繁に公園に連れていけなかったり、敷地が狭くて庭がつくれなかったりすることもあるでしょう。ベランダ・バルコニーであれば、ビニールプールで遊んだり、シャボン玉を飛ばしたりなど、室内では難しい遊びができるようになります。

ただし、ベランダ・バルコニーは転落事故のリスクがあるので、事故を防ぐ工夫が必要です。高めのフェンスを設置する、子どもが足をかけられる台やものを置かないなど、安全面に徹底しましょう。

ベランダ・バルコニーは必要?設置しなかったときに得られるメリット

戸建住宅ではあえてベランダやバルコニーを設置しないケースもあります。設置しなかった場合、どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

費用がかからない

ベランダ・バルコニーを設置するとなると、外壁工事や防水加工、金物などのイニシャルコストが発生し、新築の建築費用に上乗せされます。

しかし、設置しないのであれば、建築時に発生するイニシャルコストがかかりません。

コストが減った分、外観や内装などにもう少し予算をあてられるようになるでしょう。

掃除やメンテナンスの手間がなくなる

屋外に面しているベランダやバルコニーは汚れやすく、清潔感を保つためには掃除が欠かせません。

また、経年劣化で防水性能が下がったり、破損したりするので、定期的なメンテナンスも必要です。掃除とメンテナンスは大事な作業ですが、生活が長くなるにつれて面倒くさいと感じるようになる人もいるでしょう。

しかし、ベランダやバルコニーを設置しなければ、面倒な掃除やメンテナンスの手間がなくなります。メンテナンスが不要であれば、ランニングコストも抑えられるでしょう。

防犯レベルを上げることができる

ベランダやバルコニーは、プライバシーの保護のために中が見えにくくなりがちです。犯罪者にとって好都合な隠れ場所となるので、人に見つからず窓の解錠作業ができてしまいます。侵入されるリスクを下げるためには、人感センサー付きのライトの設置や、足場になる場所にベランダ・バルコニーをつくらないなどの対策が必要です。

一方、ベランダ・バルコニーがなければ、敷地内で死角になる部分を減らせるので、結果的に防犯レベルの向上に期待ができます。

ベランダをおしゃれにしたい!おすすめの3つのアイテム

戸建住宅のベランダをおしゃれにしたいときは、設置するアイテムにこだわりましょう。最後に、ベランダをおしゃれにするおすすめアイテムを3つご紹介します。

雰囲気を変えるウッドデッキやタイル・人工芝

コンクリートや防水層があらわになったベランダは、無機質な印象があります。さらにおしゃれなベランダにしたいときは、ウッドデッキやタイル、人工芝を活用して雰囲気を変えてみましょう。これらのアイテムはホームセンターで購入可能です。デザインや価格面だけではなく、メンテナンスのしやすさも重視して、イメージにピッタリなアイテムを用意しましょう。

無機質な室外機を隠すカバー

ベランダに設置された室外機もおしゃれな雰囲気を損なう要素となってしまいます。その際に便利なアイテムが、室外機を隠せるカバーです。室外機カバーは木材、アルミ、アイアンなどさまざまな素材があるので、ベランダの雰囲気に馴染むものを選べます。

また、直射日光から室外機を守れるため、冷房効率のアップに期待できることもメリットです。

収納スペースとして使うためのラックや棚

ベランダにラックや棚を置けば、収納するスペースの確保が可能です。たとえばベランダでガーデニングを楽しみたい場合、植木鉢などを床に置ける数に限界があります。床にものを置きすぎてしまえば、ベランダの使い勝手も悪くなってしまうでしょう。ラックや棚があれば、植木鉢やガーデニンググッズを綺麗に収納できるので、もので溢れた状態を回避できます。ラックや棚の材質やデザイン、ものの置き方を工夫すれば、おしゃれなベランダに演出することが可能です。

まとめ

マイホームにベランダやバルコニーを設置したいと思ったときは、完成後に後悔しないために「どのような目的で使いたいのか」を明確にして、検討することが大切です。また、ベランダやバルコニーは戸建住宅に絶対必要なスペースではなく、設置しないことで得られるメリットもあります。我が家にベランダやバルコニーは本当に必要なのか、住宅の専門家に相談しながら慎重に検討していきましょう。



この記事をシェアする
バーチャル住宅展示場
LIVRA WORLD
家にいながらモデルハウス見学そしてバーチャル空間で理想の家をシュミレーション
バーチャル住宅展示場へ
この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます
よく読まれている記事
一覧へ戻る