使い勝手がいいキッチンの間口は2,550mm?それとも2,700mm?

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使い勝手がいいキッチンの間口は2,550mm?それとも2,700mm?

毎日利用するキッチンは、どの水まわりよりも使いやすく、快適な空間にしたいと考える方もいるでしょう。キッチンのサイズとして最初に考えたい「間口」は、2,550mmと2,700mmが一般的なサイズですが、どちらの方が使い勝手のよさを感じられるのでしょうか?

そこで今回は、使い勝手がいい間口は2,550mmか、それとも2,700mmなのかを解説していきます。ほかにも、代表的なメーカーとその特徴についてもご紹介しているので、キッチン選びで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

使いやすいキッチンは間口の広さが重要

そもそもキッチンにおける「間口」とは、どのような部分を指しているのでしょうか?間口とは、主にキッチン設備の横幅(シンクからコンロまでの長さ)を指しています。リフォームする場合、既存の設備を解体して新たにキッチンを取り付けることから、間口がどれくらいあるのかを参考にして選ぶことも大切です。

また、間口の広さによって作業のしやすさが変わってくるため、使い勝手のよいキッチン選びにおいて間口は重要な要素の1つになります。

標準的な規格は2,550mm

間口はmm単位で表記されており、標準的な規格は2,550mmです。注文住宅でも2,550mmが標準として設定されています。間口が長ければ作業できる場所も増えますが、その分シンクからコンロまでの移動距離が長くなるため間口が長い=作業しやすいとはなりません。

ご自身にとって最適な間口の長さは変わるため、さまざまな間口のキッチンに立ち、大きさを体験することが大切です。

スペースにゆとりが欲しいなら2,700mm

間口が広いとシンクからコンロまでの移動距離が長くなってしまうものの、標準の2,550mmだと複数人で調理する場所を確保しにくくなります。

しかし、2,700mmなら十分な広さを確保でき、複数人での作業もしやすいです。調理スペースにゆとりを持たせたい場合は、2,550mmよりも2,700mmの方が適しているといえるでしょう。

キッチンの主な種類と標準サイズ

キッチンにはさまざまな種類があり、4種類に大別できます。

4つのタイプはそれぞれどのような特徴があるのか、また標準サイズはどれくらいなのかを解説していきます。ぜひ、参考にしてください。

一列に並んで配置「I型」

I型は、賃貸物件などでよく見られる形です。主に背面が壁になっており、シンクからコンロまで一列に並んで配置されています。あまりスペースが取れなくても設置しやすいのが特徴です。

ほかの種類に比べると収納力が劣っているように見えるかもしれませんが、吊戸棚なども設置できるため十分な収納場所の確保ができます。I型の標準サイズは間口が1,600〜3,000mm、奥行きは650mmです。

L字型の形状「 L型」

L型はその名のとおり、L字の形が特徴的なタイプのキッチンです。シンクとコンロまでの距離が離れており、作業できる場所を広く確保できるのがポイントになります。

また、これまで入角部分はデッドスペースになっていましたが、最近では収納棚を設けて活用できるように工夫されているキッチンもあり、L字のどちらかを対面式にすることも可能です。

なお、L型の場合だと間口は各面の横幅を測定したものになります。標準サイズはシンク側で1,800〜2,700mm、コンロ側で1,650〜1,800mmとなり、奥行きは600〜650mmです。

片面だけ壁に面した「ペニンシュラ型」

ペニンシュラ型は、キッチンの左右どちらかが壁に接しているタイプです。いわゆる対面キッチンで、リビングなどに設置することで、家族とコミュニケーションをとりながら調理を行えるというメリットがあります。対面の場合、食器棚などを設置したり、上部に吊戸棚を設置したりすることで収納場所を増やすことが可能です。

また、コンロ側に造作壁を設置すると、料理のにおいや煙を部屋に広がることを防げます。標準サイズは間口が1,950〜3,000mm、奥行きが600〜1,000mmです。

独立型のキッチン「アイランド型」

アイランド型は、コンロやシンクなどの作業スペースが壁面に面しておらず、完全に独立しているタイプです。

一般的にアイランド型はほかのタイプと違って壁と接していないことから、複数人が一緒に料理をしても窮屈さを感じずに済みます。標準サイズは間口が1,800〜2,740mm、奥行きが750〜1,000mmです。

2,550mmと2,700mmの差額はどれくらい?

キッチンを設置する際に、間口などのサイズはもちろんですが、どれくらいの費用がかかるのかも気になるものですよね。標準的な間口の2,550mmと若干広くなる2,700mmでは、どれほどの差額があるのでしょうか?

シリーズや素材によっても価格が異なるため、一概には言えませんが、差額は下記のとおりとなります。

LIXIL(リクシル)の「シエラS I型」の場合、本体+工事費(税込み)の総額は、間口2,550mmで530,000円ほど、2,700mmで550,000円ほどになります。

Panasonic(パナソニック)の「リビングステーション Vスタイル I型」だと、本体+工事費(税込み)の総額は間口2,550mmで590,000円ほど、2,700mmで620,000円ほどです。

※2022年12月時点の価格となります。詳細は各メーカーにお問い合わせください。

今回はシエラS I型とリビングステーション Vスタイル I型の間口別費用をご紹介しましたが、ほかのメーカーが販売しているキッチンもそれぞれでデザイン・機能性などが異なり、間口別費用にも違いがあるため、しっかりと比較しましょう。

理想的な作業スペースの広さは?

2,550mmと2,700mm、どちらの間口にするか決める際に考えておきたいのは「作業しやすいかどうか」という点です。

理想的な作業スペースは、どれほどの広さであればよいのかもチェックしてください。

中心の作業スペースの幅

まな板やお皿などを置き、調理する作業スペースはどれほどの幅があると使い勝手がよいと感じられるのでしょうか。一般的には60〜90cmを確保すると作業がしやすくなるといわれています。

60〜90cmは余裕を持ってまな板を置くことができる広さであり、なおかつシンクやコンロからの距離が遠すぎないためです。広く取りすぎてしまうとシンクからコンロまでの距離が遠くなり、かえって作業しにくく感じてしまう可能性もあるため注意してください。

準備スペースの幅

準備スペースとは、シンクやコンロの脇にあるスペースです。

たとえば、シンク脇に準備スペースがあると、これから洗いたい食材を置いておいたり、食器の水切りを行う場所にしたりできます。

また、コンロ脇に準備スペースを設けると調理器具や鍋の蓋なども置けるようになるため、作業の邪魔になりません。準備スペースは30〜75cm程度設けておくと便利です。

シンクとコンロの幅

シンクの幅は、主に76cm×40cmのミドルタイプが一般的で、さまざまなレイアウトにも合いやすいとされています。

中には94cmと広めに確保されたシンクもありますが、場合によっては中心の作業スペースやコンロとのバランスが悪くなり、レイアウトにも制限が出てしまう可能性があるため注意が必要です。

また、コンロの幅は60cm・75cmが一般的とされています。万が一コンロが故障して買い替えが必要になった場合でもすぐに対応できるよう、標準的なサイズを選ぶのがおすすめです。

オーダーメイドという選択肢も

キッチンの理想は、自分にとって使いやすい環境にすることです。上記で一般的なサイズについてご紹介してきましたが、場合によってはこのサイズ感では使いにくいと感じてしまうかもしれません。

自分のこだわりを詰め込んだ、理想的なキッチンにしたい場合はオーダーメイド(造作)も検討してみましょう。中には間口を1cm刻みで調整できる商品もあります。

設置するキッチンについてお悩みの方は、モデルハウスなどから設置アイデアを集めるのもおすすめです。生活のしやすさなども考慮し設計されているため、参考となるでしょう。ただ、多くのモデルハウスを訪れるには、時間と労力がかかります。そこでおすすめなのが、バーチャル住宅展示場であるLIVRA WORLD。ご自宅にいながらモデルハウスに訪れられるため、時間にも縛られません。キッチンのサイズにお悩みの方は、ぜひご活用ください。

2,550mmか2,700mm?キッチンの間口を決めるポイント

間口は既存の間取りに合わせて選べますが、たとえばリノベーションなどで間取りも新たに考える場合、どれくらいのサイズが適しているか迷ってしまうかもしれません。

そこでここからは、間口を決めるために考えたい4つのポイントをご紹介します。

ライフスタイルから考える

まずは自身のライフスタイルから考えてみてください。家族の人数や子どもの数、一度に料理をする人数などが多ければ、間口が大きいものを選びましょう。間口が大きければその分調理スペースが広くなり、複数人で作業もしやすくなります。

また、家族の人数が少なくても料理をする頻度や料理で使う調理器具・調味料などの数が多い場合は、調理スペースを確保することを考慮して間口は大きめにとっておくと便利です。

通路の幅から考える

間口を決める際、本体のサイズだけでなく通路の幅も考慮することが大切です。とくにペニンシュラ型は通路幅で失敗してしまうケースもあります。通路幅は広すぎても狭すぎても、使い勝手は悪くなってしまうので注意が必要です。

通路幅を考える時は、冷蔵庫の開閉や、引き出し・吊戸棚の開閉をイメージして、十分なスペースを確保できるかも念頭に置いてください。キッチンに立つ人が1人の場合、通路幅は80〜90cmを想定しておくとよいでしょう。

また、複数人が立つのであれば、通路幅は100〜120cm前後にしておくことで、作業している人の後ろも難なく通れるようになります。

間取りから考える

通路幅ばかりに気を取られてしまうと、隣接するダイニングやリビングが少し手狭に感じてしまう可能性もあります。

そのため、ダイニング・リビングの間取りからもキッチンのサイズはどれくらいが適切なのか考えてみてください。

逆に、ダイニングやリビングの間取りばかりに目がいってしまい、気付いたらキッチンが手狭になってしまうことも考えられます。全体的な間取りも考慮しつつ、使い勝手のよいキッチンを選ぶことが大切です。

ただし、間取りから最適なキッチンのサイズをイメージすることは簡単ではありませんよね。

そのようなときは、LIVRA WORLD」のオンライン住宅展示場を活用するのがおすすめです。自宅にいながらキッチンのサイズを検討できます。

理想のキッチンを見つけられるきっかけになるかもしれませんので、ぜひ活用してみてください。

「ワークトライアングル」から考える

ワークトライアングルとは、シンクやコンロ、冷蔵庫(前側)を結んだ線を指します。ワークトライアングルの線が長すぎると作業動線が長くなり、使い勝手も悪くなってしまうでしょう。

逆に、線が短すぎるとシンクやコンロ、冷蔵庫の距離が近くなってしまい、複数人で作業をする際に不便です。ワークトライアングルはシンクからコンロまで120〜180cm、コンロから冷蔵庫まで120〜270cm、冷蔵庫からシンクまで120〜210cmが目安とされています。

ワークトライアングルも意識しながら、使い勝手のよいキッチンを選びましょう。

高さと奥行きも要チェック

キッチンは、間口以外にも高さと奥行きで使いやすさが変わってきます。次に、高さと奥行きはどれくらいのサイズを目安にするとよいのかをご紹介します。

使いやすいワークトップの高さ

コンロや調理スペースなどに取り付けられた天板を「ワークトップ」と呼びます。ワークトップの高さが自分に合っていないと、調理や洗い物などあらゆる作業がやりづらくなってしまいます。使いやすいワークトップの高さは、一般的に「身長÷2+5cm」で算出することが可能です。

たとえば、よくキッチンを利用する人の身長が165cmだった場合、165÷2+5=87.5cmになります。

ただし、この計算もあくまで目安の高さとなるため、実際に使いやすい高さかどうか確認したい場合は、ショールームなどで実物の前に立ってみるのがおすすめです。です。

使いやすい奥行き

ワークトップの奥行きは広ければ広いほど、作業スペースやものを置くスペースを確保できます。

ただし、奥行きがありすぎると手が届きづらくなり、使い勝手も悪くなってしまうので注意してください。I型・L型などの奥行きは約65cmが目安で、中には省スペースでも設置できるよう55〜60cmほどの商品もあります。

また、ペニンシュラ型やアイランド型のように壁付けでない場合は、奥行き約80〜100cmが一般的です。

とくに対面式では、奥行きを狭くすると水はねや油汚れなどがダイニングやリビングにまで及んでしまう可能性もあるため、奥行きを広めに持たせる傾向があります。

キッチンの代表的なメーカーと特徴

キッチンはメーカーごとにさまざまなラインナップを揃えています。代表的なメーカーとその特徴を把握しておくと、キッチン選びの際にも役立つでしょう。

今回ご紹介する5つのメーカーではどのようなラインナップが揃っているのか、ぜひチェックしてみてください。

簡単に出し入れできる収納が魅力「LIXIL」

LIXILは、元々「サンウェーブ」というキッチン専門メーカーだったこともあり、現在も専門の研究チームによって使いやすいキッチンを科学的に検証・開発しているメーカーです。

とくにLIXILで注目したい機能が、「らくパッと収納」です。てこの原理を応用することで、食器や調理器具などが詰まった引き出しも軽い力で開けられます。

また、立体構造にすることでデッドスペースをなくしつつ、取り出しやすい引き出しを実現しました。

ほかにも、熱や傷に強いセラミック製ワークトップの採用や、調理家電が使いやすいよう手元の位置にあり、水がかかりにくいカバー・フックが付いた2口コンセント、10年間もファンとフード内部のお手入れが不要な「よごれんフード」などがあります。

機能性が充実「Panasonic」

大手家電メーカーとして知られるPanasonicは、家電技術を用いたシステムキッチンの販売も行っています。Panasonicが取り扱うシステムキッチンの特徴は、機能性が充実している点です。10年間ファンの掃除が不要なレンジフードから、傷・汚れに強いカウンター、横並びのコンロで調理がしやすいワイドコンロシリーズなど、あると嬉しい機能が揃っています。

とくにワイドコンロシリーズは3つ同時に調理でき、さらにコンロの手前に約16cmのスペースが設けられているため、盛り付け・下ごしらえなどもコンロ前で行えるのが魅力です。

お手入れのしやすさが人気「TOTO」

TOTO(トートー)は、キッチンを含めトイレやバスルーム、洗面台などの水まわり設備に強いメーカーです。主に「ザ・クラッソ」と「ミッテ」という2つのブランドがあり、どちらも節水しつつお手入れしやすい環境が揃っています。

たとえば、「すべり台シンク」は水やゴミが自然に排水口へ流れるよう、傾斜のある形状をしています。

また、まるでほうきのようにシャワーの形状を幅広にした「水ほうき水栓」は、広範囲で水が当たるため、効率的にお皿やシンクの汚れを洗い流すことが可能です。

ステンレス製キッチンの代表メーカー「クリナップ」

クリナップは、ステンレス製キッチンの代表的なメーカーです。クリナップの標準装備である「ステンレスキャビネット構造」は、骨組み自体がステンレスでつくられており、カビやサビ、においにも強い特徴があります。

さらに、ワークトップには特殊エンボス加工と親水性のセラミック系特殊コーティングが施されており、傷や汚れへの耐性も高いです。

高品質のホーローキッチン「Takara standard」

Takara standard(タカラスタンダード)が手掛けるキッチンは、普段のお手入れがしやすくなるように高品質のホーロー素材が使われています。ホーロー素材だと汚れが染み込まないため、お手入れは水拭きだけで問題ありません。傷や熱への耐久性も高く、綺麗なキッチンを長く保てます。

また、デッドスペースをなくした大容量の収納スペースや、ホーロー素材を活かしてマグネットを取り付けることで自由度の高いカスタマイズ性を実現した点も、Takara standardの魅力です。

まとめ

今回は、キッチンの間口は2,550mmと2,700mmのどちらがよいのか、また使い勝手のよいキッチンを選ぶ際のポイントなどをご紹介してきました。毎日利用する場所だからこそ、間口などのサイズから考えたい方もいるでしょう。

標準的なサイズの2,550mmと、ゆとりがある2,700mmはどちらが自分にとって使い勝手がよいのか、実際にショールームへ足を運び実物を確認して選ぶのがおすすめです。



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